旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。


2007-01-01から1年間の記事一覧

世間のカップルに負けることなく、美しき友情よ永遠なれ

小学校からの友人Kちゃんと、女子二人の横浜旅行。久々の再会に会った瞬間からテンションは上がりっぱなし、激しいボケ合いツッコミ合いを展開しつつ、縦横無尽に近況&妄想を語りまくる。 迫りくるクリスマスに浮かれる週末のヨコハマ、そこは欲望と駆け引…

『ヰタ・セクスアリス』 森鴎外

『ヰタ・セクスアリス』。妖しくも心惹かれるこのタイトルは、ラテン語で「性的生活」の意。1909年の発表当時には「卑猥である」として発禁処分になった、森鴎外による問題小説である。 「性欲的であるとは如何なるや?」という思索(及び体験)を軸に、淡々…

歌野晶午の小説、『女王様と私』

これゎすごぃ小説だぉ! ぃみワカンナーィ、ありぇなーぃ、なんかキモぃ!! でも、ゃっぱ、おにぃちゃんはこの世界の神なんぢゃん! 気が触れたわけではありません。歌野晶午の『女王様と私』を読み終え、登場人物にならって読後感を表現するならばこんな感…

買った本が楽しみすぎて、背表紙をなでて終わる

先日購入したハリーポッター第7巻(原書)。腰を据えて読み始める前に、前6巻を読み直した。 忘れかけてた人名とか地名とかストーリーの細部とか、ひととおり記憶を増強。さて、やっと最新巻に取り組むべし!と本を前にしたものの、カバーをめくったり背表紙…

森見さんとうすたさん。この組み合わせは、事件!

森見登美彦の対談が載っていると聞いて「パピルス」(幻冬舎)を買った。 対談相手はなんと、漫画家・うすた京介氏。「すごいよ! マサルさん」といえばわかる人には嫌というほどわかるであろう。徹底的にナンセンス、時々意味なく詩的でアートで、超ハイテ…

近所をうごめく苔ハンターの、知られざる攻防

先週、今週は、私的盆栽強化週間であった。二つの盆栽展を見て、四つの園芸店を回って、三つの鉢と二つの苗を購入。さらに、先日作った盆栽棚に防虫・防腐剤を塗るという充実ぶり。あちこち出かけたり土をいじっくたりするのに、ちょうどいい季節なのよね。 …

ハリポタとルナティック、どちらも魔法的な魅力があるよね

アマゾンで注文して、届くのを待っている本がある。未来に楽しみがあるっていうのはいいな~。本は、届いてからがまた楽しいからな。 注文したもの ・ハリーポッター7巻 ・ルナティック雑技団 ハリーポッターは大好きで全部読んでいて、そういえば最終巻が出…

秋、ベニシタンの実が紅く色づいてきた

盆栽のベニシタンの実が色づいてきた。去年より数が多いようでうれしい。うまくお正月明けまでもたせたい。 と考えて、愕然とする。お正月! もうそんなのを意識する時期なのか!(そういえば百貨店でおせち料理の予約も始まっていたような)

穂村弘『にょっ記』を読む。この人は、変態なのか天才なのか?

穂村弘『にょっ記』(文藝春秋)読了。 私が崇拝するこの歌人は、一体世界がどんな風に見えてるんだろう?というような視点を持っている人。この本は、日記の体裁をとったエッセイのような短編集のような、最後まで何かがずれてる変な読み物だった。穂村弘、…

少女にしか見えないもの。桜庭一樹『青年のための読書クラブ』 

桜庭一樹『青年のための読書クラブ』を読了。少女を書かせたらうまい、という定評のある作者。読書好きな知人が「きっと好きだと思う」と言ったとおり、歴史ある名門女子校を舞台にしたこの小説はもの凄く私好みだった。 登場する少女たちのなんと魅力的なこ…

作家・森見登美彦が語る、小説の不思議さのこと

10月6日に放送されたNHK「トップランナー」。9月に渋谷のスタジオで観覧して以来、待ちに待った小説家・森見登美彦氏の登場であった。 tokotoko.hatenablog.jp おもしろかったな。モリミーの人柄がよく出ていて(実直で、シャイ)。自分の考えを、できるだけ…

自画自賛、お手製の盆栽棚が完成

自分で図面を引いて組み立てた盆栽棚が完成した。すばらしいできばえ。これまで使っていた背の低い棚はこの下に置き、雨風や日差しが強いときの避難場所として使うことにする。 新しい盆栽棚の上で見るベニシタン。この実の色づき具合がいい感じだぜ。

祝、NHK「トップランナー」出演。森見登美彦さんのスタジオ観覧に行ってきた

先の日曜日、「トップランナー」観覧のため東京渋谷のNHKスタジオに行ってきた。 トップランナーとは、毎週土曜日放送のトーク番組。各界の著名人をゲストとして招き、山本太郎と本上まなみが緊張感があるようなないようなユルいトークを展開するものであ…

沼田まほかる『九月が永遠に続けば』を読んだ

沼田まほかる著『九月が永遠に続けば』、新潮社。 九月が永遠に続けば (新潮文庫) 作者: 沼田まほかる 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2008/01/29 メディア: 文庫 購入: 9人 クリック: 88回 この商品を含むブログ (86件) を見る 息子の失踪直後に、愛人の…

森見登美彦『【新釈】走れメロス 他四篇』を読む

森見登美彦「【新釈】走れメロス 他四篇」 「山月記」「桜の森の満開の下」「藪の中」ほか、どこかで一度は目にしたことのある作品を下敷きにした森見流リメイク短編集。例によって舞台は京都、行間からたちのぼる妖しくも美しい空気は健在。 レビューなんか…

酒見賢一がおもしろい。『ピュタゴラスの旅』『後宮小説』ほか

酒見賢一『ピュタゴラスの旅』を読む。古代ギリシャを舞台にした短編が中心なのだが、人物の描かれ方がとてもいきいきしていて(でも筆致は淡々としていて)、あの時代の哲学者や数学者に興味がわいてきた。 この作家の発想や方法にはいつもびっくりさせられ…

雲の上の巡礼者たち。初めての富士登山

土日をかけて、富士登山を敢行した。 初めての登山にして、無事登頂。暑くて寒くて息が上がって砂まみれで二度と富士山なんて登らないとぼやきつつ、それでもたどり着いた山頂から見る天空の世界はすべての疲れを忘れるのに十分だった。無事に下界に戻った今…

夏の北海道旅4【りんごスープはありますか】

(北海道旅行つづき) さて最終日。ノグチイサムの遺作でもある一大アート公園「モエレ沼公園」へ行く前に、目をつけておいたパン屋で朝ごはんを調達。Mちゃんは朝っぱらから豚キムチパンなど買っている。おかげで車内には、眠気を覚ます強烈な香りが漂うこ…

夏の北海道旅3【旭山動物園のガチャポンで大人の財力を見せつける】

(北海道旅行つづき) 鮮やかなる花嵐に別れを告げ、車は快調に旭川を目指す。ちなみに3日間の運転はすべてMちゃん。いやはや本当にありがとう。私のペーパーゴールドライセンスは、今日も無意味な輝きを放ってるよ! 正直、旭山動物園はにぎやかしのつもり…

夏の北海道旅2 【君は妖精を見たか】

(北海道旅行つづき) 富良野といえばラベンダー。今まさに見頃まっさかりの花を求め、農園めがけて車を走らせる。待ち受けていたのは、私たちの想像を軽々と越える花の風景であった。 町営の花畑で、初めて見る一面のラベンダーに感激し、 観光農園「ファー…

夏の北海道旅1【使命を忘れたスパイたち】

二泊三日で北海道へ行ってきた。 「夏だね、どっか行かない?」「北か南か」「北かな」「じゃあ北海道ね」。大学時代からのつきあいであるMちゃんとの電話会談により、勢いだけで決定したのが出発の二週間くらい前。プランを練る間もなく当日を迎え、大阪に…

友を訪ねて金沢へ。観光したり、だらだらしたり

週末は、台風の迫る東海地方を抜けて金沢へ。着いてしまえば雨の影響もほとんどなく、過ごしやすい三日間だった。宿泊先である友達の家でカレーを作って食べたり、気がついたら昼寝をしていたり、早起きした布団の中で漫画を読んで二度寝したりというおよそ…

私は側転ができない

週末、思い立って横浜へ行く。 目的はただ一つ、元町にある「横浜 人形の家」という博物館で開催中のリカちゃん人形誕生40周年企画展である。ファン歴二十数年を誇る私、「リカちゃんが1000体!」という宣伝文句に誘われていざ横浜へ。内容は正直どうってこ…

説明できない怪異に寒くなる。森見登美彦『きつねのはなし』

森見登美彦の『きつねのはなし』読了。いや~怖かった。蒸し暑い夏の夜にゾクゾクしながら読みたい幻想怪奇小説だ。なんだかわからない異形のものが今日も京都の夜をうごめく。人のような顔を持つ、体の細長いケモノが歯を見せて笑う。得体の知れないイヤな…

もったいないから挿しておけ。盆栽の挿し木記録

盆栽を育てていると、小さな鉢の中でもぐんぐん枝をのばす成長力に驚かされる。が、そのままにしておくと養分が尽きて自滅する羽目になりかねないので、程良い大きさで、かつ見目よい形で剪定してやる必要がある。いろんな角度から鉢を眺めては枝をパチパチ…

流行が去り、カヌレはどこへ行ったのか

もう10年くらい前か? カヌレが流行っていたのは。好きだったのに、最近は売っているお店をぜんぜん見ない。久しぶりに食べたい!と思ったらいてもたってもいられず、静岡パルコのベーカリー<シェ・リュイ>で売っていると聞いてさっそく買いに行く。 嬉し…

バイカカラマツ、2年目の開花

可憐な、という形容がよく似合う山野草。花の大きさは1.5センチくらい、丈は7~8センチくらい。見た目は繊細だが、意外と頑丈者である。放っておいても2年目の花をつけてくれた。芯の強い無口な少女、って感じだ。凛としているところが素敵。

秋ではなくて、「春もみじ」

春もみじ。雪どけとともに芽吹いて紅色や萌黄色に染まった木々を秋のもみじに例えたもの。なんと風雅な言葉だろう。 私の鉢にも、小さな小さな春もみじ。もみじの芽ってこんな風に赤いのだ。夏にはこれが緑になって、秋にはまた赤く色づく。

鉢の中の紫式部と、小学生の紫式部たち

盆栽の変化成長が著しい時期。仕事の忙しさにかまけて少し目を離している間にも、びっくりするぐらい枝が伸び、若葉が萌え、花が咲いている。まったく、律儀ないい子たちだねぇ。 春先に買った紫式部もいい感じだ。3月はじめには枯れ木のような見てくれだっ…

おとめ十八、青春の苦さを知る

乙女でもなければ18歳でもないが、この春は、青春18きっぷで桜旅行ざんまいだ!と意気込んでいた。 が、週末に岐阜旅行を敢行した結果、めずらしく本格的に体調を崩してしまい、その間にも花は惜しみなく散りゆくのであった。桜を見に行く約束を果たせなかっ…