旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。


私は側転ができない

週末、思い立って横浜へ行く。

目的はただ一つ、元町にある「横浜 人形の家」という博物館で開催中のリカちゃん人形誕生40周年企画展である。ファン歴二十数年を誇る私、「リカちゃんが1000体!」という宣伝文句に誘われていざ横浜へ。内容は正直どうってことなかったのだが、まあリカちゃんには罪はない。リカちゃんのボーイフレンドが、私のよく知る「イサムくん」からいつの間にか「かけるくん」なる今風の美少年(目元がちょっとワルな感じ。将来の夢はサッカー選手だそうな)に変わっていたという新発見もあったし。50カラットのダイヤを身につけたプレミアリカ(お値段、1億円…!)も見られたし。しかし、いとこのシャルル(フランス人の男の子)が、「ショコラ」という名前で紹介されていたのはどういうわけだ! 名前を間違えるなんて信用ならん! 館長、石坂浩二! しっかりしてよ、プンプン。

中華街でごはんを食べ、ぶらぶら歩いているうちに横浜スタジアムにたどりつく。本日は横浜×阪神戦。時刻は4時過ぎ、垣間見えるスタジアムから湧きあがる大歓声を聞くうちに、特に好きでもないくせに「どうしてもプロ野球を見たいっ」という突然の衝動に駆られ、どちらの応援席でもいいから内野席を買うぞ!と券売所へ足を向けるも試合は既に8回をまわったところ。残り1イニングに入場券2500円を払うのはためらわれ、後ろ髪をひかれながら球場を後にする。そういえば前日には、ヤンキースの松井が家に遊びに来るという解析不能な夢を見たのだった。無意識下で野球づいている(?)今日このごろである。

その後、山下公園の芝生をてくてく歩いていたら側転を披露している親子がいた。その向こうにもう1組、やはり側転しているカップルがいた。オシャレな横浜では今、側転がはやっているのだろうか。消えない謎を残し、暮れゆく港町を後にする。家に帰ったらリカちゃんをチャイナ服に着替えさせようと心に誓いつつ。