旅と日常のあいだ

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作家・森見登美彦が語る、小説の不思議さのこと

10月6日に放送されたNHK「トップランナー」。9月に渋谷のスタジオで観覧して以来、待ちに待った小説家・森見登美彦氏の登場であった。

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おもしろかったな。モリミーの人柄がよく出ていて(実直で、シャイ)。自分の考えを、できるだけ伝わりやすく、できるだけ正確に言葉に置きかえようとする姿勢が好きだった。

「どんな小説家でありたいですか」という問いに対する森見氏の答え。「何もない紙の上にぽつんと言葉をおく。そこからぽつぽつと文章がつながっていく。文章の連なりが、世界を作っていく。そのことが不思議でもあり、単純に楽しくもある。その楽しさを忘れない作家でありたいのだ」と話していた。

読者にとってもその通りだとテレビの前で激しく共感する。本を開くまで、読者はその中に広がる世界をまったく知らない。それは存在していないのと同じ。ページをめくる。まず始めの一文がぽつんとあって、そこに続く文章がある。何もなかったところに、少しずつ世界が現れる。ぽつぽつ。不思議だ。文字の間にだけ存在する世界。現実と非現実をさまよう楽しみがあるということの幸せ!

番組の最後には、観覧席で神妙な顔をしている私の姿も1秒間くらい全国放送されましたとさ。ハハハ。

ペンギン・ハイウェイ

ペンギン・ハイウェイ

  • 作者: 森見登美彦,くまおり 純
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/05/29
  • メディア: 単行本
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