旅と日常のあいだ

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鉢の中の紫式部と、小学生の紫式部たち

盆栽の変化成長が著しい時期。仕事の忙しさにかまけて少し目を離している間にも、びっくりするぐらい枝が伸び、若葉が萌え、花が咲いている。まったく、律儀ないい子たちだねぇ。

 

春先に買った紫式部もいい感じだ。3月はじめには枯れ木のような見てくれだったものの、

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4月はじめに枝の間に小さな小さな芽が出て、

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4月中ごろ。みずみずしい若葉がひらいた。

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そして4月下旬の今、たくさんの葉を付けて初夏の装い。

紫式部は9~10月に小さな紫色の実を付ける。その名前は、かの『源氏物語』の紫式部にちなんでいる。そういえば小学校の頃、友達のSちゃんと「クラスの女の子を百人一首に出てくる女流歌人に当てはめる」という遊びをしていたのを思い出した。クールで賢いあの子は『枕草紙』の清少納言、可愛くてモテるあの子は恋に生きた和泉式部、というように。変な遊びだ。私はといえば、まったく僭越ながら小野小町だった。絶世の美女だったから、ではなく、百人一首に出てくる小野小町の和歌が好きだから、というのがその理由。で、一緒に遊びを発案したSちゃんが、紫式部だった。

 

 めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に雲がくれにし夜半の月かな(紫式部

 

 ---久しぶりに会ったのに、顔を見分ける暇もないくらいすぐに帰ってしまうのね。ちょうど、雲に隠れてしまう夜中の月のように。