(北海道旅行つづき)
鮮やかなる花嵐に別れを告げ、車は快調に旭川を目指す。ちなみに3日間の運転はすべてMちゃん。いやはや本当にありがとう。私のペーパーゴールドライセンスは、今日も無意味な輝きを放ってるよ!
正直、旭山動物園はにぎやかしのつもりだったのだ。どちらかというと旭川ラーメンが食べられればそれでヨシだったのだ。しかし悲しいかな、どこに行っても120%のはしゃぎっぷりを披露してしまう私たち。動物園に入場して3分も経たないうちに「この動物園はちょっと凄そうだぞ・・・」というワクワクな予感に心を占拠され、「ラーメンはいいから、閉園までここにいよう。できる限りすべての動物を見よう!!」ということで意見が一致する。変わり身が早いのは、環境適応力が高いってことだよな。
さて、展示方法としても動物としても、今回の私的ベストはホッキョクグマ。「世界最大の肉食獣」という有無をいわせぬ無敵っぷりがいい。展示スペースはホッキョクグマの目線に対して人間の頭が低い位置にくるように作ってある。彼らは私たち人間を、エサであるアザラシだと思って見ているらしいのだ! あの巨大さ、あの威圧感。もし襲われたら、死んだふりでは許してもらえなさそうだ。なむなむ。
でかいんですよ、とにかくね
それに比べて、カピバラ君の平和そうなこの顔
閉園を告げるアナウンスが流れる中、ぬいぐるみなどの愛らしいグッズには目もくれない私たちが目の色を変えて購入したもの、それは動物園限定フィギュアである。ダイヤルを回すとカプセルに入ったフィギュアがランダムに出てくる、いわゆるガチャポン。しかも製作は天下の海洋堂である(海洋堂とは、精巧かつ大胆な表現で知られる造形メーカー。マニアの萌えポイントをくすぐる商品群は他の追随を許さない)。機械の前で、「やーりーたーいー!!」とねだる子どもらを横目に、私とMちゃんは次々と硬貨を投入する。フフフ、君らのおこづかい程度では、欲しいフィギュアを自由に手に入れることもできないであろう。吐き出されるカプセルに目当てのフィギュアがなければ次の硬貨を惜しみなく入れ、目当てのフィギュアが出れば雄たけびをあげる私たち。まったく嫌なオトナになっちまったもんだ。
移動中の車内でさっそく組み立てる。あら不思議、車の中が動物園に!
宿泊地である札幌では、六花亭でおみやげを買い込み、夜は寿司を食べ、勢いあまってプリクラ決行、しかも禁断のコスプレ付き。さんざん遊んで疲れ果て、ホテルでは声もなくベッドに倒れ込む。眠りに落ちる二人の足元には、オランウータンやトラ、ホッキョクグマなどのフィギュアとともに、空のカプセルばかりが散乱していたという・・・。(つづく)