旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。



おとめ十八、青春の苦さを知る

乙女でもなければ18歳でもないが、この春は、青春18きっぷで桜旅行ざんまいだ!と意気込んでいた。

が、週末に岐阜旅行を敢行した結果、めずらしく本格的に体調を崩してしまい、その間にも花は惜しみなく散りゆくのであった。桜を見に行く約束を果たせなかったSさん、Kちゃん、すまぬ。使えなかった青春18きっぷに、まだ見ぬ岐阜の、奈良の桜の幻影がよぎる。

青春18きっぷで行きたかったのは……

岐阜は樽見の薄墨桜。散り際に花の色が薄い墨色になるという。奈良は吉野の山桜。裾野から頂まで、幾千の桜が山を登るように徐々に花開くんだとか。長野は高遠の城址公園。天地を埋め尽くす桜の花に、悲しい恋物語が伝わるそうな。そして、福島は三春の滝桜。濃紅の花をつけるしだれ桜はこれからが見頃。

静岡から鈍行列車で行く岐阜は、やはり遠かった。ちょっと体調が変だったくせに無理したからだ。豊橋あたりで気分が悪くなり、金山でたまらずに途中下車し、踏ん張ってたどりついた名古屋では立っていることもままならず、駆け込んだ漫画喫茶でゴロゴロ転がって我が身の不幸を呪うばかり。これじゃあ岐阜には行けないよう、もう電車に乗りたくないよう。でも、このままならない感じこそが青春の痛みなのかしらん。いやこれは、単にお腹が痛いだけなのかしら?

それ以上の前進はあきらめ、岐阜にたどりつくことなく名古屋までで旅は強制終了。「これは勇気ある撤退である!」と心中に呟きつつ、新幹線の切符を買いなおして帰途につく。わざわざ青春18きっぷの旅を選んでおきながら、結局新幹線に乗る羽目になるなんて。これは明らかな敗北である。しかしまあ、帰りの新幹線指定席が、たいそうフカフカで心地よかったことを付け加えておく。

体調不良の原因は、ウィルスのしわざだった。来年も桜は変わらずに咲くだろうことを希望に、花の旅は一年先送りに。