旅と日常のあいだ

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金沢片町【とと桜】にて、6年ぶりの友人との再会

静岡県の友人一家が、金沢まで泊まりがけで会いに来てくれた。石川らしい海鮮を食べたいということで宿泊ホテルに近い店をピックアップ。

お互いに幼児連れなので求める条件は同じ。かしこまった静かな雰囲気は無理、できれば個室で座敷、絶対に全席禁煙、子どもが食べられるものを適宜注文できて、何はなくとも白ごはん必須! こういう場合は居酒屋がとても便利で、探し当てたのが片町にある「旬魚季菜 とと桜」。結果、サービスも環境面もメニューもよくて総合的に大満足。いい店を案内できてよかったわとホストとして一安心したのだった。

店は片町きららの裏、2階建ての一軒家。大人4名+幼児2名でネット予約しておいたら、奥まった半個室の掘りごたつ席に子ども用食器2人分がきっちりセットされていた。出だしからもう安心できる。

石川の地酒や梅酒が豊富で、めずらしいところでは加賀棒茶ハイなんてものも。子どもはオレンジジュースを頼み全員で乾杯。お通しは、加賀太きゅうりのもろきゅうと甘えび塩辛。地元らしいコンビネーションで、県外客をもてなす側としては鼻が高い。

とりあえず、本日の刺身の盛り合わせを中桶サイズ(3人前)で。10種類くらい乗っていて、ネタをぜんぶ説明してくれる。どれも厚切りで、鮮度よくぷりぷり。中央は北陸民以外にはなじみがないであろう、がんど。ブリの一歩手前サイズのもの。「がんどって何?」「実はね~」っていう会話が広がるのも良い。この日は子持ち甘えびもあった。静岡も魚がとてもおいしい土地だけど、石川ならではの海産物を紹介できると誇らしくなるね。(勝手に観光大使のような心持ちになっている)

続いて、梅貝刺身、ぶりカマ塩焼き、加賀れんこんの磯辺揚げ、がすえびの唐揚げ、岩牡蠣酢などを食べる。じゃこサラダやだし巻き卵は子どもがよく食べた。白ごはんも。本当に、どれもおいしかった。残念ながら、最初の桶盛以降は料理写真ゼロ。我々家族も友人夫婦も、傍若無人かつ天真爛漫な幼児の世話と見張りに一生懸命だったため。奴らときたら、隙あらば半個室を脱走しようとしたりおもちゃを取り合ったり謎の踊りを始めたりで、2分連続で静かに座っているということがない(いや、1分ももたないかも)。しかしその喧騒がまぎれるくらいには他の個室にもお客さんが入ってじゅうぶんにぎわっており、店全体がワイワイしていたことにとても救われた。2時間で、料理10品+10杯ほど飲んで約2万円。満足。

友人とは6年ぶりの再会だったけれど、顔を見て「おつかれ!」って言った瞬間から、久しぶり感ゼロな気持ちの距離になったのがうれしかったなー。友人とは思えば幸運な縁。前職でそれぞれ違う会社に勤めていたとき、鉄道旅の現地取材という特殊な現場で初めて出会い、その日のうちに「私たちはすごく気が合う」とお互いに思って遊ぶようになり、以来十数年、住む場所が離れても付き合いが途切れてない。ふたりで遊んでたのが、いまや家族同士で会ってるんだからおもしろいなあ。ともかくも楽しくておいしい、金沢での夜でした。

旬魚季菜 とと桜 石川県金沢市片町2-5-5