旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。


虫好き大喜び、虫嫌いは悲鳴。昆虫が飛び出す入浴剤に子ども大喜び

石川県白山市に「ふれあい昆虫館」という子どもの超お気に入り施設がある。標本展示、生体展示、蝶々が舞い飛ぶ温室などがあって、子が特に好きなのはナナフシやクワガタやゲンゴロウの生体展示。前々から虫への興味はあって昆虫館にも数回行ったことがあるのだけど、いままさに昆虫ブームが最高潮であり訪問は月1ペース。というか、先週・今週にいたっては2週連続である。大人はついに年間パスポートを買った。4回で元がとれる計算なので、たぶん余裕。

で、いつもは展示を見たらスッと帰っていたのだけど、前回うっかりおみやげ売り場で足を止めてしまい、しかもいらんことに夫が「あ、バスボールがある」と口走ってしまった。バスボールという単語に瞬時に反応する我が子。うちでは入浴剤を使う習慣ゼロなのになぜその言葉を知っているかといえば、YouTubeに「ガチャピンの入浴ルーティーン」という視聴者ターゲットがいまいちわからぬ動画があり、どういうわけだか子はその動画が大好物で2日に1回は見ているから。そのなかに、湯船にバスボールを入れると中から魚や恐竜のおもちゃが出てくるくだりがあり、そこで「バスボール=おもちゃが出てくるおもしろいもの」という知識を得たからなのであった。まったくYouTubeめ、油断も隙もない。

で、パッケージを見てもそれがバスボールだとは子にはわからなかっただろうに、夫の「バスボールだ」発言により、えっ、これがバスボール!?こんなところにあるの?ほしいほしい、買って買って買ってーーー!!となった。その名も「昆虫バスボール」。中から虫のミニフィギュアが出てくるのである。湯船に昆虫が浮かび上がるというあまり好ましくない事態をなんでわざわざ現出させねばならんのか。まあ1個ならいいよということで購入。確か560円。大人用だってこんな高い入浴剤買ったことない。

 

袋の中には、ミニ図鑑と、卵よりひとまわり大きいくらいの入浴剤。昆虫は6種類がランダムに入っていて選べない。カブトムシやオオクワガタもあるのだけど、子は「トノサマバッタがいいな」。わりと地味というか、いぶし銀なところを突いてくる。私としてはゲンゴロウでなければなんでもいいわ。ゲンゴロウは水生だから、お風呂に浮いてたらリアルすぎて洒落にならん感じがする。

さて、バスボールを投入して泡がブクブクとたちのぼる間、昆虫を待つ子どもの期待と緊張は高まりっぱなし。湯船をのぞいて息が乱れんばかり、「うわあああああ、出てくる、出てくるよぅぅ~」。そして、泡の切れ目からふわりと浮かび上がったのは……

 

キアゲハでした!

もっとリアルで精巧な造りだったら私としては「ギャッ」となったと思うけど、適度なつくりもの感があって安心した。これならお風呂や部屋に落ちてても、本物に見えてあわてることはなさそう。

その後、子は「キアゲハちゃん」と呼んでたいそうかわいがっており、「キアゲハちゃんにお水をあげる」「キアゲハちゃんが眠いっていってるからベッドに寝させる」など、かいがいしく世話を焼いている。同時に、キアゲハになりきって「わたし、バスボールに入っていたから、からだが入浴剤のにおいなの」とも言っている。出自については、「卵から出てきて、いきなり成虫になったの。幼虫やさなぎにはならなかったの。わたし、バスボールに入っていたから」と説明。現実的だな。

さて昆虫館、子は無料だし大人は年パスもあるし施設としてもいいところなので何度だって連れていきたいのだけど、今後、行くたびにバスボールをねだられるようになるのだろうか。ゲンゴロウやバッタがお風呂に浮く日も近いのかもしれない。なむなむ。