旅と日常のあいだ

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綿矢りさ『オーラの発表会』。著者の感情描写と言語センスが炸裂してる

綿矢りさ『オーラの発表会』

主人公、海松子(みるこ)のキャラが独特でぶっとんでる。海松子が、というか綿矢りさが面白すぎてびっくりした。人物描写のすくいあげ方と言葉選びのセンスが秀逸。

終盤、海松子がオーラを鳴らせるようになるという展開がそれまでとは打って変わっての雰囲気で、ちょっと「あれ?」ってなった。この人は、このお話はどこに行こうとしているの? が、最終的には読後さわやか。人との関わりの中で、海松子が少しずつ変わろうとしていく姿がまぶしくて愛おしい。人間社会って本当にめんどくさいけど、その面倒な関係性の中で、もがいたり気づいたり人に背中を押されたりして世界が広がっていくことの希望が書かれている。

海松子が抜群にいいのはおいといて、友人の萌音がとてもいい。そして海松子が知人につけるニックネームがどれもおもしろ。まね師、七光殿、サワクリ兄、あぶらとり神。綿矢りさは裏切らないわ。