旅と日常のあいだ

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森見さんの頭の中をのぞく対談集『ぐるぐる問答』

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森見さんの対談集『ぐるぐる問答』を読み終えた。対談相手の顔ぶれがいい。劇団ひとり、萩尾望都、綿矢りさ、羽海野チカほか。森見さんの考えていることやお話のつくり方がよくわかって、森見ファンとしてはおもしろく読んだ。

作品の舞台を京都にすることで「京都マジック」とでもいうべき効果が生まれて、幻想的なことや非現実的なことも「京都でならありえるかも」と読者が勝手に思ってくれる、とか。そのとき、現実の地名や建物の固有名詞をどれくらいのバランスで作中に登場させるか、とか。この作品ではこんな構成・方法を試みたという具体的な話がいろいろ出てくるので、作品を思い浮かべながら興味深く読んだ。

正直、対談相手によってすごく短かったり内容が薄いまま終わっちゃったなーというのもあったけど(しかも複数)全体としては楽しめた。デビューまもない15年前の自分との対談(という体裁の作品)もあって、これも好きだった。森見ワールド炸裂。私が読んだのは単行本だけど、そのあと刊行された文庫版には新たに伊坂幸太郎氏との対談が収録されているそうでそちらも読んでみたい(伊坂さんも好き)。

ぐるぐる問答 森見登美彦氏対談集 (小学館文庫)
 

お題「好きな作家」