金沢市八日市の素敵パン屋さん「リーン」。9時の開店直後には種類がたくさんそろっていた。ずらりと並ぶパンを前にすると、どうしようもなく気持ちがたかぶる。
加賀れんこんと照りマヨチキンのタルティーヌ290円。鶏もも+焦がし玉ねぎ+れんこん。絶対おいしい甘辛マヨネーズに、粒マスタードが味をぐっと引き締めている。れんこんは音が鳴るほどシャキシャキ。ひとつのパンに味と食感がいくつも重なっていて、職人技の集結!という感じ。タルティーヌはほかに「サバと舞茸」というのもあって、これもおいしそうだった。
あんバター280円。あんこは小豆から炊いた自家製で、フランスのてんさい糖とゲランドの塩を使っているそうな。甘すぎず、重くなく、さりとてあっさりしすぎて物足りないわけではなく。あんとバゲットの一体感は自家製ならでは。 両端からはみ出る勢いでたっぷりはさまったバターがまた嬉しい。
レモンとホワイトチョコのバトン270円。もちもちカンパーニュに、レモンピールとホワイトチョコ入り。半分に割るとレモンの香りが一気にたちのぼり、その香りがあまりにいいので思わず声が出るほどだった(本当に)。レモンピール、舌に残るタイプの嫌な苦味やえぐみが全然なくて、すごくおいしかった。ほどよい甘さと酸味が凝縮されていて、もちもち生地と一緒にかみしめるたび、さわやかに鼻に抜ける感じ。片手に乗る小ぶりなパンに、工夫や試行錯誤がぎゅーっと詰まってるなあと思った。
リーンのパンはどれを食べても、材料の選定や製造工程に妥協することなく手間をかけているんだろうなあと感じる。そういう背景を押し付けてくるわけではまったくないし、専門的なことはわからないけど、食べながらそう思う。ひとつひとつに敬意を払いたくなるような、真面目でうつくしいパン。本当に良いお店。
Lean (リーン) 金沢市八日市1-736-1