お昼どきのドトールにて、隣に座ったカップル(たぶん大学生)の女子が、「ねえ、今日の私、いつもと違うんだけど気づかない?」と言った。
私はぴくっと反応し、そして緊張した。適当なことを言えば「ちがーう、ちゃんと見て!」とすねられ、正直に「わからない」と言えば「私に興味ないの?」とすねられるのだ。
向かいに座る彼氏よ、君はいま試されている。がんばれ、がんばるんだ!彼女のことをよく見ろ、なにか昨日とは違う部分があるはずだ!
彼 「目になにか塗ってる」
彼女「ブー、いつも塗ってます」
彼 「くちびる」
彼女「ブー」
彼 「うーん。髪?」
彼女「ブー」
彼 「つめ」
彼女「ブッブー」
ああもうダメだ、と私は思った。この調子ではきっと当たらない。しかし気になるよ、目でも唇でも髪でも爪でもない変化ってなんだろう。いつもとどこが違うんだろう。アクセサリーとか? ねえ、私にも答えを教えて。
彼女「正解は! 『こっちのまぶただけ二重』でした! ほら!」
彼 「あー。」
私 (へえー。)
コーヒーを飲みつつ、なんともほのぼのする昼下がりでしたとさ。