旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。



旅先の恋は不意打ち。妖怪少年に胸を焦がす鳥取の夜

友人とともに、電車にゆられて山陰旅行へ。

主な目的は、鳥取県砂丘&温泉、島根県出雲大社出雲そばである。鳥取ではゲゲゲの鬼太郎が有名だということはもちろん承知しているが、友人も私も鬼太郎はスルーの方向。鳥取へ向かう電車内では「別に興味ないし、水木しげるロードも行かないし、グッズもいらないよね」と言いあっていたのである。

さて、静岡から10時間(!)ほどをかけて、鳥取県米子駅に到着。出発前には予期していなかったことが起こるのが旅の醍醐味だとすれば、今回最大の想定外事項は、米子駅に着くなり恋に落ちてしまったことである。

米子駅の土産物屋には鬼太郎グッズが多数並んでおり、これはもちろん想定内だったわけだが、なんとなくそれらを眺めているうちに気づいてしまったのだ。

鬼太郎よ、君は私の好みのど真ん中じゃないか!

少年っぽいほっそりした体、生意気そうな口元、時折見せる陰のある表情、常人には持ちえない特殊能力。いやあ、今までノーマークだったけど、彼ったらときめき要素が満載である。気が付いたら手ぬぐいにシールにと鬼太郎グッズを購入している自分がいた。

その日は温泉旅館に泊まったのだが、夜も更けて布団に入っても止まらぬ友人との妖怪トーク。「妖怪トーク」っていうか、突如沸き上がった鬼太郎萌えについて(萌えてたのは私だけで、友人はそんなでもなかったような気もする)、あらゆる方向から妄想を繰り広げてはニヤニヤと悶えるっていうね、不毛にして至福の時間ですわよ。

主な議題は、どうやったら鬼太郎と付き合えるのか、鬼太郎に何て呼ばれたいか。ちなみに私は「きたちゃん」って呼ぶことに決めた。友人は「鬼太郎くん」。それを聞いて、「えー、<鬼太郎くん>って呼ぶのも可愛くていいなあ、ずるーい」と羨ましがる私。だったら鬼太郎くんって呼べばいいだろ、私。

あと、きたちゃんが現代日本に生きるとしたらどういう設定が萌えるかっていう話。

付き合うんだったら少年ではなくて大人の方がいいよね、スーツ姿を見たいよね! お堅い会社に勤めていて総務課の係長で、普段の仕事ぶりはいまいちパッとしない感じなんだけど、それは世を忍ぶ仮の姿。実は会社の裏プロジェクトの重要メンバーであり、妖怪たちを束ねて秘密任務に就いている。いざミッションってときには、黒と黄色のちゃんちゃんこの代わりにロングコートをひらめかせて颯爽と出陣。時には、妖怪たちとの殺伐とした日々に疲れてアンニュイな顔を見せるきたちゃん。そして、前髪の後ろに隠された彼の左目の秘密を知っているのは、特別な存在であるわ・た・し・だ・け。

実写化するとしたら(既にしてるけど)、甘めに玉木宏、クールに田辺誠一、グッと渋めに佐藤浩一とかどうかしら! 鬼太郎役っていうより、スーツを着せたい俳優ランキングになってる気もするが。

あああ、きたちゃーーん!!

こうやって、異常なほどに鬼太郎に恋い焦がれつつ過ごす鳥取の夜。「久しぶりに本気で胸がドキドキしてきた」とか言い出す始末、温泉に浸かりすぎて妄想発動機が温まりすぎたとしか思えない。