石川県が取り組んでいるEVバス(100%電力走行バス)の実証実験モニターに当選し、金沢市街から金沢港まで無料乗車できる権利を得た。しかも往復で、家族3人とも。というわけで、いすゞ自動車製「エルガEV」というかっこいいバスにいそいそと乗り込む。車内に段差がひとつもないフルフラットの快適さに驚いた。ちなみに客層は、はたらくくるまが大好きなチビッコとその家族、または乗り物を過剰に愛したまま大人になったお友だちが多めだった。我が家はどちらにも当てはまる。
終点の金沢港クルーズターミナルで下車。我々の主たる目的は、港にある厚生食堂のランチである。以前一度行って非常においしかったので、満を持しての再訪。11時オープンだけど、10時45分に様子を見に行ったらすでに行列ができていたのでそのまま並んだ。さほど待たず、うまいこと一巡目で入れたのでいいタイミングだった。

海鮮丼1250円。すし飯の上に魚介が8種かな。海苔の下には甘海老、向こう側にイクラ、さらに穴子まで隠れてる。マグロも白身も厚みがあるし、盛りだくさんでバランスよし。これでこの値段はありがたいわ、近江町市場なら2倍はとるのでは?
前回はフライ定食を食べて衣の軽さと身のふくよかさに感動したので、あの感動を再び、ということで単品のフライも注文。これがまた予想以上のボリュームだった。

カキフライ850円。メニューは壁のホワイトボードの文字情報のみで写真がないので数やサイズ感がわからないんだけど、5個もくるとは予想外!この値段なら3つくらいかなと思っていたので嬉しい誤算。

同様にキスフライも、650円でまさか4尾ものってるとは思わんよ。2尾くらいかな~と想像してたからびっくりした。そして衣のおいしさは記憶以上だった。目の細かいパン粉がうすーく付いてて、軽快なほどにサクッとしてる。かつ、身はふっくらふわふわ。一口ごとに「ほんっとにおいしいな…」と噛み締めつつ堪能。
ちなみに子どもは、前回同様にわかめうどんを選択。よほど好きだったらしいが大人サイズだったので食べきれず、残りは私がいただいた。海鮮丼一人前+キスフライ3+カキフライ1+わかめうどん半人前。40代半ばにして、食べ盛りの高校生並みの量である。
さすがに満腹だけど、せっかく市場にも来たことだし今がシーズンなので、加能ガニ(石川県のブランドずわいがに)を買った。脚がもげてるので安くなっていて1パイ2000円。いい買い物をした。


夕食にいただいた。やっぱり特別においしいね、カニって! 無言でしゃぶりついちゃう。甲羅をひらいたら予想以上にミソたっぷり。腹の身を箸でかきだしてると自動的にカニミソがまとわりついてくるというおいしすぎる構造で、「生まれながらにして人間の美食の対象にならざるを得ない体のつくりだとは、ずわいがにも難儀なことよのう…」と思うのだった。
あと、カニをほしがらない子どもに「ひとくち食べてみたら? ほとんどカニカマみたいでおいしいよ」と勧めつつ、自分で自分に「逆だろ、カニがカニカマみたいなんじゃなくて、カニカマがカニみたいなんだよ本来はな」とツッコむ。とにもかくにも金沢港の海産物を享受した良き日だった。カニを味わうため、普段飲まない日本酒まであけちゃったもんね。