旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。


読書って本当にいいものだ。『テルマエ・ロマエ』『ジェイン・エア』感想など

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ああ、「yom yom」の表紙は毎号かわいいなあ。最新号の巻頭は梨木香歩。既読の梨木作品で一番好きな「家守綺譚」の別エピソードが掲載されていた。もう、ため息。ほんの数行で、自然界の「気」が不思議に充満し交歓しあう独特の物語世界に連れてってくれる。うーん、巧い。読んでる最中も読み終わってからも、なんて気持ちがいいんだ。

それから、ライターさんおすすめの漫画『テルマエ・ロマエ』を読む。古代ローマと日本を「風呂文化」でつなぐ、大真面目なギャグ漫画。今まで誰も思いついてなかったよ!というあり得ない設定が出てくるんだけど、読んでて何の破たんもしてないのが凄い。笑える部分も感心する部分もあっておもしろいわ。ちなみに、どのページをめくってもたくましい裸体が満載。何しろ舞台は風呂だし、主人公はローマ男だし。表紙も堂々たるすっぽんぽんなのだけど、これを貸してくれたライターさんは、問題の部分にシールを貼ってくれてた。これなら電車の中でも安心、か!?

テルマエ・ロマエ コミック 全6巻完結セット (ビームコミックス)

テルマエ・ロマエ コミック 全6巻完結セット (ビームコミックス)

 

数日前、ブロンテの『ジェイン・エア』を初めて読んだ。話じたいは面白く読んだのだけれど、舞台となっているビクトリア時代のイギリスという前提を共有できない以上、物語中で起こっている出来事の意味とか衝撃とかを私は全然理解できてないんだろうなと思ってしまった。加えて、圧倒的に共有できないのが宗教に関する部分。キリスト教的な考え方とか、文中に出てくる聖書の引用とか、読み手である私に下地がないために意味がよくわかんないんだよね。ああ、だから私は外国文学をあまり読めないのかもと思った。日本の古典や明治期の小説なら、知識や想像で補える部分がまだ大きいから気にならないんだけどな。あと、翻訳ものはどうしても、表現の美しさじたいにハッとする、という経験をしにくいというのもある。

ジェイン・エア(上) (岩波文庫)

ジェイン・エア(上) (岩波文庫)

 

そういえば、こないだ社長に「川上未映子のコラムを読むと私を思い出す」というようなことを言われたのだった。それはすごいお言葉! しかし私は川上さんのコラムを読んだことがないので確かめてみなくては。川上さんって容姿も素晴らしく綺麗だよね。芥川賞受賞時の黒髪ボブは私の理想。強気な目元も惚れ惚れする。どっちかといえばそっちで似たかった! 詮無い話だが。