白山登山の2日目。1日目の記録(別当出合~室堂ビジターセンター)はこちら
室堂の山小屋ではあまりよく眠れず、ふと目が覚めて(いま午前1時くらいかな、眠れないし早く朝にならないかなー)と時計を見たらまだ22時。消灯の20時から2時間しか経ってないし。そのあともうつらうつら、じっと夜明けを待つ。
日の出の5:46にあわせて準備をして、外に出る。ここまで来たら山頂まで登ってそこで日の出を待つっていうのが王道なんだけれど、日の出前の登山って暗いし寒いし気分が乗らないので、我々は小屋の前にて待機。東側が広く開けていて、じゅうぶんにいい眺めだった。山頂にいる大勢の人のシルエットも見えて、彼らが日の出を見て「バンザーイ」という声が聞こえてきて、その数分後に、少し下にいる我々のところでも雲海から太陽登場。
良き朝です。ちなみに白山では、ご来光ではなく「お日の出」という言い方をするのだって。
日の出を見て、小屋で朝食を食べてからいざ御前峰の山頂へ。石垣に囲まれて白山比咩(ひめ)神社の奥宮が鎮座していた。頂上はゴツゴツだけれどまあまあ広い。ああ、一年ちょっとぶりの、登頂!のこの感覚。
天気がよくてうれしい。北アルプスもはっきり、中央が穂高岳(また行きたいなあ)。
山頂では、「日本百名山完登」の旗を掲げている夫婦に遭遇した。聞けば今日この白山が、まさに最後の百座目なのだそう。居合わせた数名で、おめでとうございます~と拍手。熊本から来たそうで、なぜ白山を最後にしたのだろう?と思ったのだが、あとで知ったところによると、日本百名山を書いた深田久弥は石川県出身なのだね。
さて、山頂からはピストン下山ではなく、峰々の間に点在する池を見て回る「御池めぐり」へ。池の規模とか姿かたちとか、あまり調べないまま期待もせずに来てしまったのだが、この御池めぐりがたいそうステキで気に入った。
背景には雲海。山のくぼみに青や緑の水辺。なんたる絶景。立ち止まっては、景色を楽しんだり写真を撮ったりで、もっとゆっくりしたい感じだった。万年雪の残る場所もあり、ここは悪さをする蛇を雪によって封じ込めた「蛇池」という名前。ひとつひとつの池に名前があり由来があり、それを見るのも楽しいのだった。とはいえ、風が強くて冷たくて、寒かったのも事実。
池をめぐりながら振り返れば、山々のこの風景。「おお、大きくて広い山だなあ、いいなあ~」と、しみじみ思った。好きな眺め。
そんなわけで山頂と御池めぐりで3時間ほども費やして、下山前に割りとのんびりしちゃったぞ、と少し焦りつつ、それでも帰りのバス時刻まではじゅうぶんに時間があるので、色づき始めた紅葉を楽しみつつ山を下りたのだった。
帰りに通った、十二曲りというクネクネ道。上りだったらうんざりしそうだが、下山時は人が少なく歩きやすかった。
白山は、三代霊峰のうちのひとつ。あとは富士山と立山で、これで3つとも登ったことになる。霊的なものや信仰はおいといて、山の感じの好みでいえば白山と立山は同じくらいの上位。白山のほうが優美(池も花も多い)、立山のほうが派手でゴツい(剣岳の荒々しい眺めとか)感じか。どちらもまたこの目で見たいし、違う季節にも行ってみたい。富士山は……、まあ、一度は登っておこうか、っていうくらいで。