静岡らしい食べ物といえば静岡おでんも富士宮やきそばもいいが、地元民が愛してやまない究極のご当地メニューといえば、なんといっても「炭焼レストランさわやか」のハンバーグであろう。
「さわやか」。その店名とは裏腹に、ハンバーグのビジュアルは見るからにわんぱくでヘビー。想像するだけで、口の中に肉汁があふれ出しオニオンソースが踊り出しそうになるほどだ。写真を見ただけで、あの独特の香りが鼻のあたりに漂ってくる。
念のため説明しておくと、さわやかは静岡県内のみに展開しているファミリーレストラン。主なメニューはハンバーグとステーキで、なかでも「げんこつハンバーグ」はさわやかの代名詞というべき絶対エース。テーブル上で繰り広げられるパフォーマンス(音とけむりとナイフさばき)は見る者を虜にし、弾力のあるレアな肉を口へ運ぶとたちまち恍惚の世界へトリップ!である(私はね)。
先日、県外から遊びに来た友人を連れて二週連続でさわやかに行った。まずは北海道の友人と。その翌週は東京の友人と。
ふたりとも、店員さんが目の前でハンバーグを半分に切って鉄板にぎゅうぎゅう押し付けるあたりで興奮していた。飛び跳ねるソースを紙でよけながら、店員さんに「そんなに押して大丈夫ですか」とか聞いたりして。そして、「これは美味しい!」と感動しながら残さずパクついている姿を見て、私も深く満足したのだった。
静岡に来たら、海の幸も緑茶もいいけど、このハンバーグを忘れてはならぬ。赤身を残したレアな肉の、野性を食べている感じがまた。しかし私はお腹が強くないため、体調によっては中までしっかり火を通してもらう。そのときのオーダーワードは「よく焼き」である。
スパイスの調合も魅惑的で、肉の間からしみ出してくる味の深みといったら、口の中に受け止めきれないほどの幸せが広がる。今このブログを書きながら、どんだけさわやかが好きなんだよと自問しているのだが、書いてるそばからまた食べたくなってきた。
ともあれ、「さわやかのハンバーグは特別」という意見には多くの方々の賛同を得られることと確信している。また県外の友達が来るときには絶対連れて行こうと思います。