南極旅行への出発当日の話。▼前回の記事はこちら。
当日朝にやっと荷造り終了。荷物は35Lのスーツケースと20Lくらいの黒リュックのみ、17日間の旅行にしてはめちゃくちゃ身軽だ。リカちゃん人形とその洋服が余分といえば余分だけど、これは趣味だから譲れない。
昼過ぎに我々の起点である小松空港から羽田に出発。羽田からバスに乗り成田空港へ。空港内のレストランで夜ごはん。てりやきチキンとエビフライと山盛りポテトという、食べ盛りの高校生みたいなわんぱくなセットを食べてしまった(夫は根菜スープ。ヘルシー!)。食事中、隣テーブルの女子大生3名の会話から聞こえてきた「Dカップは少年ジャンプの重さ、Jカップはスイカの重さ」というフレーズが大変に印象的であった。空港からシャトルバスでホテル日航成田にチェックイン、今日の移動はここまで。ちょうど平昌オリンピックのシーズンで、テレビでスキージャンプやらフィギュアスケートのニュースを見て眠る。
前日のニュースの影響がてきめんで、翌朝はフィギュア羽生選手が金メダルをとる夢で目がさめた。ホテルを出て成田空港へ向かいラウンジで朝ごはんを食べて過ごす。マッサージチェアがあったので10分間の「全身疲労」コースをやってみた。が、腕の置きどころが悪かったらしく、腕時計をはめた左手首が、腕時計ごと強い力でギュウギュウ押されて、骨がどうにかなるんじゃないかと思うほど痛かった(何をやっているのやら)。
午前11:45、アメリカはダラス・フォートワース行き飛行機が離陸。11時間の長旅であった。2人並び、非常口近くで前方広めのよいポジション。着席時に機内映画のパンフレットを熟読して決めた3本をきっちり鑑賞。ブリジット・ジョーンズの日記、ラ・ラ・ランド、マイ・インターン。すべてを通じての感想を一言でいうと、「コリン・ファースがかっこよすぎてどうしよう」ということでした。
私がラ・ラ・ランドを観ているとき、夫はブレードランナー2049を観ていた。どちらの画面にも主演のライアン・ゴズリングが映った奇跡の瞬間。
機内では食事2回と軽食1回が出たのだが、その中でスープストックトーキョーのスープが出てきたのがうれしかったな。鶏肉とマッシュルームのクリームスープ、おいしかった! スープストックが好きだけど居住地の石川県には店がない。アメリカ行きの上空で味わえるとは思いもしなかった。
着陸直前、足の疲れも最高潮になってきたころ、客室乗務員の「どちらに行かれるんですか」から始まった会話で新婚旅行なのですという話になり、そしたら、お祝いにということでJALグッズをもらった。飛行機の模型とスプーンのセット、これ、完全に子ども向けだよね……と思いつつ、お気持ちありがとうございます。南極に行くというマニアックさからの連想なのか、乗務員氏に「モスクワもいいですよ、きっとお好きだと思います」と勧められた。理由は不明だ。羽生選手が金メダルをとったということも教えられ、おお、今朝見た夢が事実になった!と思った。
現地時刻で午前7:30頃、ダラスに到着。預けていたスーツケースと一瞬の再会ののち、再び預け直してラウンジへ。ここで預けた荷物と次に会うのが予定よりも先送りになることを、このときはまだ知るよしもない。
ラウンジには、パンにマフィンにクッキー、サラダ、スープ、野菜やサラダもいろいろあった。食いしん坊バンザイ。次はここダラスからアトランタに行くのだが、乗り換え時間が5時間ほどあり、はっきり言ってヒマである。夫は、今回のためにレンタルしたWi-Fi 機器を取り出して何やら設定作業をしていた。私は食べるだけ食べ、空港内をぶらぶらと散策し、次のアトランタ行きの機内でこれ以上何も食べないことを誓うために念入りに歯磨きをした。
13時過ぎ、定刻どおりにアトランタ行きが離陸。モニターもなく機内食もなく、眠気も襲ってきたので熟睡。何も食べず飲まず、目標達成である。アトランタに着いたらまた数時間の待ちのあと、次はブエノスアイレス行きに乗り換えるプラン。先はまだまだ長い。