このところの陽気に、盆栽も本格的に活動しだした。
「なんか最近あったけえな!」
「いきなり春めいてきやがった!」
「てやんでぇ、そろそろ芽ぇ出さなきゃなんねえよ!」
「暖冬だったもんで加減がわかんねえ。とりあえず派手に出しときゃいいだろうよ!」
(想像の中では、盆栽たちは何故かべらんめえ口調で焦っているのだ)
そういうわけで(?)、どの鉢もここ数日間でむくむくと急成長中。
シモツケゴールドフレームの赤い新芽は、
ふさふさと柔らかな薄みどりの葉となり。
ひょろりと立つブナの木には、産毛もまぶしい若葉が茂る。足元に咲くヒナソウも、少し背が伸びたようだ。
花はまだかと待ちわびていた富士桜のつぼみは、あらら、すでに葉っぱ。今年はどうやら花を付ける気がないらしい。
それにつけても、うららかな光を受ける盆栽たちの愛おしいこと。冬のあいだの眠ったような時期を知っているだけに、なおさらだ。