2月27日、南極からウシュアイアへ戻るため今日も一日ひたすら航海。ついに下船の前日だが、旅が終わって名残惜しいというよりは「もう船でやることがなくて退屈だから、早く陸に上がりてえ!」ってな気分である。
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朝ごはんのブッフェ、豪華でおいしかったのでこれが食べられなくなるのはさみしい。ほぼ毎朝食べてたオムレツ、チーズとかキノコとかトマトとか好きな具を選んでオーダーできるのが良かった。
午前中に聞いた講座のなかで気になったエピソードをノートに残してあったのだが、今見たら【南極での越冬がイヤで基地に放火した医者がいた】【1967年日本発着の第一号南極観光者は銀座松坂屋の顧客リストから】【アルダブラ島、忘れられた島】とある。日本に帰ったら調べようと思いつつ、半年が経った今、メモを見返すことすらしてなかったなあと気づいたよ。
下船前にやらなきゃいけない大事なことが、チップの支払い。チップは個人的にやりとりされるものだけど、乗客からの問い合わせが多いということで旅行代理店から金額の目安が案内された。確かに、この船の規模とかサービス内容で9日間のクルーズをした場合どれくらいの金額が妥当なのかなんて、ちょっと見当がつかないわ。目安は、船のクルー(客室係やレストラン係)に対しては乗客ひとりにつき12~15USドル/日、探検スタッフに対しては乗客ひとりにつき3~5USドル/日とのこと。専用の用紙に金額とルームナンバーとサインを書いて受付スタッフに渡すと、後日クレジットカードから引き落とされる仕組みだった。全体的に(特にクルーには)気持ちのいい対応をしてもらって心地よかったので、そんな思いも含めてサイン(チップの文化、難しい!)。
午後は部屋でのんびり(というかダラダラ)したり、アフタヌーンティーでスコーンを食べたり、船長主催の「さよならカクテルパーティー」なる集いでドリンクをいただいたり。夕方からは波が穏やかになり揺れもおさまって、最後のディナーでは食欲復活傾向の夫とともにコースをひととおり楽しんだ(飲み食いしてばかり)。
思わぬことで嬉しかったのが、名前入りの最南端到達地点証明書。絵はがきを出したチリ基地が今回の最南端ポイントだったみたい。
夜は乗客もスタッフもみんながラウンジに集まって、スタッフが撮りためた写真によるスライドショーが上映された。船から見た最初の氷河、初めての上陸、ペンギンやクジラ、南極海の飛び込みなどなど。映像を見ていたら、私たちはずいぶんと非日常のすごい場所に行ってきたんだなあと改めて思ったし、その旅が終わりに近づいていることが寂しい気にもなった。
そして、今夜で最後の客室に戻ると……
ベッドがすごいことになってた! クルーズ最終夜に、白鳥降臨!!
「Happy Honeymoon」と書かれた客室係のお手製カードも添えられていて、何このベタな演出は~!と大笑いしながらも、とっても嬉しかったのだった。客室係さんがハートの折り紙を仕込んでいる姿を想像するとほっこりしてしまう。しまった、もっとチップをはずんでおくべきだったぜ。
明日早朝の下船に備えて、おやすみなさい。