12時過ぎ、パンを買いに野々市のニオールへ。店内にはパンを選んでる人が4組ほど、レジ待ちも4人ほど。種類によってはすでに売り切れていたみたい。
買ったのは、からすみ入りチャバタでバター・アンチョビ・ルッコラをサンドしたもの。600円くらい。この組み合わせ、私には一生思いつかない自信がある。しかも生地にからすみ入りとはどういうこと?
食べる前にめくってみたら、
からすみのかたまり! 予想以上の惜しみない量でびっくりした。カシューナッツも入っていて、食べてる途中で不意にやってくるコリコリ食感がたまらない。
からすみもアンチョビもルッコラもぜんぶ独特の強い香りがあるけど、ケンカするでも打ち消し合うでもなくそれぞれ重なって引き立てあってた。それらをバターがまろやかに包み込んでくせになる味。こんなおいしさがあるのか……と陶然。パンをひとつ食べたという以上の、凝った料理を味わったような満足感。いやー、ワインが合いそうだ。
もうひとつ、レーズンのエスカルゴ。420円くらい。レーズンには貴腐ワインを染み込ませてある。アーモンドクリームとチョコも入って甘さと香りの重なりが最高。何と言っても生地のサクサクパリパリ食感がすばらしい。このきめ細かさ、この均一さ。芸術的な味がする!!!と感動で震えながら食べた。
ニオールのパンにはシェフの技術や挑戦が詰まってる感じ。片手間に食べるのではなく、まじまじと見つめながら真剣に向き合って味わいたいパン。気軽な値段ではないけれど、その価値がじゅうぶんにあると確かに思える。実においしかった。
NiOR(二オール) 野々市市白山町392