旅と日常のあいだ

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長野・小布施ワイナリーのマニアック日本酒「イリヤ・ソントン」

知人からいただいためちゃくちゃおいしいお酒。長野県は小布施ワイナリーの日本酒。繰り返すが、ワインではなく日本酒。

イリヤ・ソントンという銘柄で、使用米は長野県産美山錦100%。よく冷やしてから開けた。グラスに注ぐと、目の覚めるような華やかできらきらしい香りにびっくり。とにかくフルーティーで果実のよう。味わいは濃く、澄みきった旨みと酸味が口の中にぶわっと広がって、すっきりした甘みとともに喉を通っていく。クールビューティーな印象。とてつもなくおいしい。

ラベルには「小布施ワイナリースタッフ全員が雪と厳寒でワイン畑の仕事ができない数週間だけワイン造りから離れ、趣味で極少量を小さなワイナリー内で作り上げるSAKE」とある。実際あまり出回らず、稀少な品であるらしい。

いただいたのが3月末で、開けたのは5月の半ば。ずっと気になっていたことがあって、説明書きの末尾にある「品質保証期間5月31日。6月1日以降は超マニアックな香り、味わいのSAKEになる可能性があります」という文章。初めから相当個性が際立ったマニアックな味なのに、このうえ超マニアックになるってどういうことなの?という興味と期待をおさえられず。

ボトルに数センチだけ残して大事に封をしておいたのを、6月になった今、やっと飲んでみたのである。たちのぼるような香りの華やかさと芳醇さは健在で、旨みの深さとキレ具合が増しているように感じた。相変わらず美味。「旨みの深さ」だの「キレ具合」だの、抽象的かつ主観的でどうしようもないんだけど、そう思ったのだから仕方ない。クールビューティーなお姉さんだった印象は、クールにもビューティーにも磨きがかかったうえで蠱惑的な妖しさが追加され、おいそれとは近づけない高嶺の花になってしまったというか。(←ますます主観的な感想)

小布施は栗の産地ということでただでさえ熱烈に好きな町だけど、好きポイントがさらに上がった。そして、一緒に飲んだことが一度しかないのに、私の好みを突いて知る人ぞ知る的な品を選んでくれた知人の変態的センスに感服。

▼小布施ラブ。小布施といえば栗だけど、ブラムリーにも激ハマりしてた過去。