旅と日常のあいだ

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シン・エヴァンゲリオン劇場版を見てきた

ついに、シン・エヴァを見てきた。

「終劇」の文字を見て、ああ本当に終わったんだ……と思った。

 

内容の善し悪しや好き嫌いのレベルを超えて、庵野監督が示した「これにて終了」という決意の大きさに圧倒された感じ。物語上、まだ謎に包まれていることや経緯が明らかにされていないこと、理解しきれず何これどういうこと?っていう点はたくさんあるけれど(エヴァとはそういうものだと思ってる)、ともかく今作に関しては、監督がエヴァをはっきり終わらせようとして終わらせたのだなと受け止めた。単にひとつの作品が完結したというだけでなく、監督とエヴァとの関係(呪縛といってもいいのかも)、視聴者とエヴァとの関係をも終わらせて、解放に向かわせてくれたという気がしている。

何よりも、全体としてハッピーエンドだったことがうれしい。これまでのエヴァからは考えられないくらい前向きな結末だった。肉体も精神も成長したシンジが踏み出す新しい世界に無限の未来の可能性があること、自分の意志でそれを選んでいけることが予感されて、なんだかもう感動するやらまぶしいやら。よかったね、シンジ。

 

あと個人的にぐっときたのは、

・ミサトさんが最後にひとりで指揮をとるシーン、それまでずっと結んでいた髪をほどいて、私たちがよく知る「ネルフのミサトさん」な見た目になったところ。作中で経過した14年のうちにミサトさんとシンジ(そして我々視聴者)の間にできてしまった壁が一気に取り払われたような嬉しさがあった。ミサトさんおかえりなさい!と叫びたい気分だった。

・赤い浜辺でのシンジとアスカのシーン。旧作でふたりの心が完全に断絶したこの場所で、今作ではふたりが素直な思いを打ち明けて心をかよわせられたのが、もう、もう…!

 

鑑賞直後は、今見たものの刺激と情報量が多すぎて感想ももてずにぼーっとしてたんだけど、数日たった今は、しっかり終わらせてくれてありがとうという気持ちが一番大きいな。TVシリーズの放映は26年前、直近の劇場版からでさえ9年ものブランクがあったなかで、庵野監督が投げ出さずに最後まで作りとおしてくれてよかった。待っててよかった。これで私もエヴァも成仏できる。TVシリーズ当時からエヴァにはまり、続く旧劇場版、そして今回の一連の新劇場版までを同時代で体験できたことは本当に幸せだったなーと思う。そのときどきの世間の反応や考察をリアルタイムで追えたし。

明日3月22日は「プロフェッショナル仕事の流儀」で庵野さん特集。これを見て、自分のエヴァへの思いや解釈が変わるかもしれないことが楽しみ。こんなふうに、あれこれ思いを巡らせたり誰かと語りたくなったりするのが、エヴァという作品が特別なところ。

お題「好きなシリーズもの」