金沢の近江町市場からほど近い一角、花屋さんと横並びの焼菓子店「Biquette Bonbons(ビケットボンボン)」へ。アンティークグリーンの外装とシックな壁紙がパリの街角っぽくてときめく。
棚に並ぶのは、バターケーキにサブレにマカロン、シュークリームに生ケーキ。そんななか、私の目当ては迷いなくこちら。
カヌレ! プレーン270円とほうじ茶300円があった。レモンの名札も出ていたけど売り切れ。一緒に行った友人と「お皿がすてきだね」と話していたら、パティシエのお兄さんが「妻がフランスで見つけたものです」と。その瞬間、セーヌ川を渡る風が吹き抜けたね(脳内で)。
レジ横には前日焼きのカヌレ3個入り500円というお得な袋が。お皿に並んだ焼き立てカリカリをとるか、一日経って柔らかくなっていようともお得さをとるか。思案していたら、お兄さんが袋の上からカヌレをむにむにと押して見せ「昨日焼いたものはだいぶ柔らかくなってます」、続いてお皿のカヌレをトングでたたいて「こっちは固いです。カリカリ好きなら間違いなく今日焼いたほうです」。トングでたたいたときのカチカチ音の堅牢さ、まさに私好み。お兄さんの適切なプレゼンの結果、焼き立てを買ったのだった。プレーンとほうじ茶1個ずつ。
せっかくのカリカリが損なわれぬよう帰宅してすぐ食べた。期待を裏切らない、表面のガリガリザクザクッとした食感が最高。中のむちむち加減も好き。柔らかすぎず、薄すぎず。プレーンはバニラとラムがしっかりきいていて濃厚な味、ほうじ茶は見た目もだけどひとくち含んだ瞬間の香ばしさが衝撃的。深煎りの香りがぶわっと押し寄せて目が覚めるようだった。どちらもそれぞれおいしかった。カリカリとむにむにの対比をかみしめながら、やはりカヌレは当日焼きに限るなと再認識。もう迷わない。
会計時に二言三言交わしただけなのに、お兄さんの対応に人柄の良さや愛嬌を見た。友人も、お兄さんがよかったよね、って。また行きたくなるね~と言ってたら、友人は翌日すぐ行ったらしい! 友人の行動力とお兄さんの吸引力。
Biquette Bonbons(ビケットボンボン)
金沢市十間町33 Instagram