私の妹は、マスキングテープ(マステ)にとりつかれている。
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その妹が言うには、 「最近マキマキが流行ってる。知ってる?マステで、マキマキ専門の機械も発売されたんだよ」
マキマキ? 専門の機械? 何を言っているのかさっぱりわからない。妹も「マキマキ」に夢中であるらしい。持っているマステをほとんどマキマキした、すごく疲れたけどやってよかった、可愛いから見てよと言われ、わけもわからず見た。マキマキを。
これだった。
これが何かおわかりか。プラスチックの芯にマスキングテープを巻きつけたものである。1本の芯に複数の種類のテープを巻く。なるほど、マキマキって巻き巻きのことか(この芯はそもそも、お花の名前を書いて植木鉢に挿しておくためのガーデニング用品。) 感想としては、「何のために巻くの?」「巻いてどうするの?」ということに尽きる。可愛いでしょ?と言われれば、そうだね、可愛くないとは言わないけれど、しかし目的というか必然性がわからないんだよね、巻き巻きすることの。
妹は一瞬「そんな愚問をするのか」という表情を浮かべたあと、巻き巻きのメリットについて熱く語ってくれた。
いわく、「なんといってもかさばらない」。マスキングテープは普通太い紙の芯に巻かれておりこれがかさばる要因になる。ところがプラスチックの芯(これは厚さ1ミリ程度の板)に巻けばその部分の体積が不要。「かさばらないということは、つまり、持ち運びがしやすいということ」と妹は言った。いや、そもそもマステを持ち運ぶシーンってあるの?と問えば「手帳にはさんだり、少しだけ友達にあげたりするのに便利」なのだそうだ。そして、数あるマステの中から色やテーマやプレゼントする相手によって組み合わせを考えるのが楽しいし、背景やらストーリーやらを持たせられる、と。
買ってきたままの、ゴロゴロとかさばるマステ
巻き巻きして、すっきり省スペースになったマステ
所有している数百個のマステをひととおり台紙に巻いたとのこと。私としては、元のままゴロゴロしてる方が形として可愛い気がするんだけど。大量の巻き巻きを終えて疲労感と満足感に浸っている妹にそんなこと言えるわけない。
妹は、この巻き巻きとは別に、マステの記録ノートというものも作っている。
マステの入手順に、一定の長さずつノートに貼っているのだ。使い切ったり人にあげたりしてマステが手元からなくなっても、このノートを見ればいつどんな柄のテープを買ったかを思い出せる。記録を残したくなる気持ちは、同じく収集癖を持つ私にはよくわかる。わかるけれども、客観的に見てやっぱりやりすぎだぜ妹よ。 そして同時に、マステにこれだけの時間と労力とお金をつぎこんじゃう妹の偏愛ぶりを尊敬する。