旅と日常のあいだ

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神秘の地底探検。宇都宮の大谷採掘場へ

思ってもみない、見たこともない世界が私たちの周りにはまだまだたくさんある。たとえば、この足元にも。

栃木県は宇都宮市にある「大谷(おおや)資料館」に行った。このあたりでは「大谷石」という石材が産出され、地下から石を切り出しては外に運び出している。一般人の目には触れることのない、冷たくて静かな地下採掘場。秘密とロマンが詰まっていそうでワクワクするではないか。この採掘場の跡地を見学すべく、生まれて初めて宇都宮に行った。新幹線やまびこに乗って。

資料館は普通に平地に建っている。建物に入ると地下へ続く階段があり、そこから採掘場に下りる。階段の手前に貸し出し用の毛布があり、外は30度を超える暑さでも地下の気温は10度くらいですよとの注意書き。パンプスと半袖から、ぺたんこ靴と長袖に着替えていざ地下へ。

せまい階段を下りた先に、ばーーんと広い空間があった。

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うまく広さが伝わらないな。実際は、写真の印象より何倍も広い。天井がものすごく高い(つまり、自分の立っている場所が低い)。

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機械のない時代は、人の手のみで石を掘っていたのだ。つるはしで。壁にはその跡。そしてそれ以降の時代に使われた機械の跡。

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「地下神殿」という単語が似合うなあ。闇の世界っぽいし、奥に魔王の玉座とかありそうだもんね(ドラクエ的な…)。 

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地下なので窓はないが、見学者のために照明が付いている。時間が経つにつれ色が変わる演出もある。ここで映画やドラマを撮ったりライブやイベントを開催することもあるそうで、過去にはBMW試乗会をやったらしい。車を8台入れて。お金かかりそう。

しばらく内部をうろうろしていたら、前情報のとおり体が冷えてきた。いやあ、それにしたってよ、つるはしを振るって石を切り出し、それをまた人が背負って外に運び出し、既定サイズの直方体になるように削るって一体どれだけの重労働なんだろうか。途方もないよ。そして、こんな地下採掘場が、ここだけじゃなく大谷エリアのあちこちにあるという事実。私たちの日常と並行して、知らぬうちにじわじわと張り巡らされていく地底世界。

地下と外がつながる場所。

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おもての駐車場のあたりも、岩の存在感は圧倒的。

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何に驚いたって、おみやげコーナーに大谷資料館限定のマスキングテープが売られていたことだ。こんなところにまで進出しているとは、マステのやつめ油断ならないな。買うのはぐっと我慢した。よく耐えたと思う。我が精神力の強きこと、大谷石のごとし。おしまい。