妹がマスキングテープを愛しすぎており、彼女の部屋は大胆なマスキングテープ使いによって激しく装飾されまくっている、という話を前に書いた。
つい先日、実家に帰った際に見た妹の部屋が、想像のはるか上をいっていた。マスキングテープひとつでここまでできるの? いや、全然ひとつじゃないけど。
この衝撃、この完成度は、家族以外に知ってもらえないのが惜しいほど。そんなわけで、ここに我が妹の超絶なるテーピングテクニックを(勝手に)公開する。まず始めに確認しておきたいのは、妹の部屋の壁はもともと白い、ということだ。
重要なことなのでもう一度言っておく。
「部屋の壁は、白い」
さて、いざ妹の部屋に入ってみると。
白いはずの壁が 圧倒的に、
青くなっていた。
もうほんとに、目を疑うというか目を見開くというか目が覚めるというか。 これぜんぶ、マスキングテープが貼ってあるのだよ。自分が見ているものが信じられなくて、「うわっ、青い!」って思わず息を飲んだ。私が驚いたのは「白いものが青くなった」という変化に対してというより、「これが全部マスキングテープってどんだけ」「天井の高さまでどうやって貼ったの」「しかも仕上がりが超キレイ」「ていうかテープ代にいくらつぎこんだのか」「我が妹ながら、なんという底知れないヤツ!」という、なんだろうね、尊敬と戸惑いが入りまじる気持ちなのであった。
壁と床の接する部分には薄紫のテープが貼られている。そして机。もともと木の色だったけれど、これにも同じ薄紫のテープが貼られている。全体的にテイストが統一感されてて素敵だねという気の利いた言葉は出てこなかった。私が青すぎる壁の前で感じたのは「鮮やかすぎて落ち着かない」ということ。正直にそう言うと、妹は「うん、私も同感」。えっ、いいのかそれで。
で、同じ部屋の押し入れの引き戸がどうなっているかというと、
こう。奥の引き戸(計4枚)、もともとはすべて白かったのだが、左右2枚は花柄に、中央の2枚は棚の模様になっていた。棚の模様というのは、
こういう柄のテープなのである。どうせなら棚のテープで全面を埋め尽くせばいいのにそうなっていない(タテに白いラインが残っている)のはどういうわけかと尋ねると、「途中でテープが足りなくなったから」とのこと。ああー、そういうとこ詰めが甘いなあ。空白部分をなんとかしたくて、お姉ちゃんは今すぐテープを買い足したい気分になったのだった。
ちなみに上から2枚目の写真、右手のドアが真っ白だが、これはもともとダークブラウンであった。つまり今は、全面に白いマスキングテープが貼られているのである。そしてドアの裏面は、写真では見えていないけれど全面に緑のテープが貼られているのであった。果てしなくクラクラしてしまう。
白い壁は青くなり、白い引き戸は花と棚の模様になり、ダークブラウンのドアは白くなった妹の部屋。実家の壁面は徐々にマステに浸食されており、この調子だと妹が外壁に手を出す日も近いのではないか。妹のチャレンジ精神とマスキングテープの耐久性をどこまでも見届けたい私だが、実家に帰って変化を確認するのが、楽しみなような恐ろしいような。