長野と岐阜の県境に位置する乗鞍岳への山行記録。 標高2700メートルまでバスなので楽ちん&ご来光と北アルプス連峰の絶景で大満足。 写真がいっぱいなので、記事がものすごく長くなっておりまする。
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乗鞍岳(3,026メートル)
2012年8月4日(土) 晴れ
平湯温泉バス停:3:30-(ご来光バス)-乗鞍バスターミナル4:30-大黒岳4:50-剣ヶ峰(最高地点)7:40-お花畑9:00-乗鞍バスターミナル着9:30
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それは金曜の夜のこと。会社の飲み会真っ最中の21時頃、「明日は天気がよさそうだから乗鞍岳に行くぞ」との緊急指令が入った。帰宅してシャワーを浴びてバックパックに荷物を詰め込んで、当然寝る間もなく車に乗り込んで目指すは岐阜県高山市、乗鞍岳へのバスが出る平湯温泉へ。乗鞍岳はマイカー規制があってシャトルバスでしか行くことができないのである。
車の中でなんとなくうとうとし、午前3時に起床。なんでそんなに早いのかというと、乗鞍岳でご来光を見るためである。夏季は日の出時刻に合わせて「ご来光バス」が運行しており、この発車時刻が3時30分。登山スタート地点である乗鞍バスターミナルまでの乗車時間は1時間、車内でがっつり寝るぞ!と意気込んで(?)乗車。バスはまあまあ混んでいたが、すやすやと眠る。眠っているうちに高度を上げてターミナルに到着、起きたらそこは標高2702メートル地点なのだった。
4:30の空はまだ深い紺色、西の空には白い月。肌寒い。
バスターミナルから少し歩くと大黒岳への登り口がある。地名標識が2つ立っており、ひとつは岐阜県高山市、もうひとつは長野県松本市と書かれている。ここが県境。15分ほどで大黒岳山頂なので、このてっぺんからご来光を見ることにする。途中、人生史上最大かもしれない流れ星を見た。空を切り裂くような強くて明るい閃光が流れて、周囲から歓声があがる。
5:00、日の出。赤く燃える空。
朝日に照らされる富士見岳。
雲海と山々。山に登らないと見られない、この眺めが好きすぎる。
朝の景色を楽しんだらいよいよ本格的な登り。雪渓があったりお花畑が広がっていたり、視界が開けているうえに眺めがいいので飽きずに歩ける。森の中のジグザグ道とかに比べて楽しいなあ、あれは気持ちいいけど単調ですぐ飽きるんだよね、こういう道の方が私には向いてるなーと思いつつ。途中に休憩できる小屋もトイレもあって安心だ。道はだんだんゴロゴロの岩場になってくる。
途中、いくつか池が見られるのも特徴的。これは権現池。ここにも雪が残っている。
東方面、下にくねくねしている道路は松本・安曇野へ続く乗鞍エコーライン。
南方面、御嶽山(おんたけさん)。でかいな!!
振り返って北方面、登ってきた道を見下ろす。奥の山々は北アルプス。 なんという素敵な眺め!槍ヶ岳・穂高もはっきり見えた。写真の右端がそう。
山頂が見えてきた。この砂礫の稜線を歩きつめればゴールだ。
7:40、標高3026メートルの剣ヶ峰に到着。360度ぐるり、どこまでも山が見渡せる。なにしろ天気が最高でうれしい。神社の神主さんいわく「これだけ天気がいい日はなかなかないよ」と。「あれがナントカ山で、あっちがナントカ岳で」と、わかる限りの知識をしぼりだす(あまり出てこない)。山頂で軽くお昼を食べて(マネケンのワッフル美味しいなあ)、景色を堪能して、名残惜しいがとっとと下山。帰りは早かった。いいスピードでピュンピュン歩く。早朝登山は気温が上がりすぎなくてよい!
帰りはお花畑に寄ってみた。バスターミナルから歩いてすぐの場所に広がる畳平には高山植物がいっぱいで、木道が整備されていてぐるっと歩けるようになっている。抜けるような青空の下を散策。
元のバスターミナルに戻り、畳の大広間でしばしゴロゴロ。それでもまだ午前10時である。12時間前には飲み会の席にいたなんて信じられないような別世界ぶりだ。 乗鞍岳、おすすめ。なにしろ、バス停から山頂までが近くて体力的に楽。そのうえ北アルプスの素敵な眺めがばっちり見られて「山に来た」という感動が大きいし、自分の足で3000メートルを超えたという達成感も得られる。こんなに楽をしていいのか、という思いでいっぱいだ(前回の仙丈ヶ岳がきつかったゆえになおさら)。
帰りは高山に足をのばし、風情ある街を散策。どれだけ歩けば気が済むのであろうか。団子に飛騨牛の串焼きに五平餅にと次々と食べ歩き、最後は高山ラーメンで締め。よい日だったな!