旅と日常のあいだ

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英仏旅行記02 水辺の町、コッツウォルズへ

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 イギリス・ヒースロー空港に降り立った私たちは、列車とバスを乗り継いでコッツウォルズを目指す。パディントンモートン イン マーシュを経由し、目指すは「バートン オン ザ ウォーター」。路線バスに乗ったはいいものの、いくらなのか、どのタイミングで支払いをするのかがわからなくて慌てる。運転手が「いくらだよ」と教えてくれるが、ポンド硬貨の種類を全然覚えていないため、財布の中身を見せて、ほしいだけ持って行って!という感じ。

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そんなわけで、「バートン オン ザ ウォーター」に到着。コッツウォルズ地方に点在する村々の中でも特に水辺の風景が印象的なこの村は、「コッツウォルズのベニス」と呼ばれているそうな。小さな川、澄んだせせらぎ、アーチ型の橋、石造りの建物。「可愛らしい田舎町」の要素が満載である。

コッツウォルズは観光地なので、イギリス国内からも多くの人が訪れているようであった。車も人もいっぱいで大にぎわい。しかしここは、とにかく寒かった! っていうか、イギリスの6月ってまだまだ寒いのね。そんなこともあろうかと寒さ対策は考えてあったものの、気温の低さは予想以上で持ってきた服すべてを重ね着状態。長袖3枚にフリースの上着に、マフラー二重巻きでもまだ寒いとはどういうことか。それなのに、子どもらは裸足になって川で遊んだりしているのだ。彼らの皮膚感覚はどうなっているんだろうか。アイスクリームを食べ歩いている人もたくさんいたが、彼らの舌は何も感じていないのであろうか。

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石造りの壁やおうちが並んでいる。絵本の中に出てきそうな風景。リカちゃんをむきだしで持ち歩くのも何なので、鞄に入れたり出したり、そのたびに乱れる髪の毛を直したり、服のしわを整えたりね、けっこう忙しいのよね!

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しまいには、紙袋の中でこんなことになる始末。

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ドアのブルーがきれい。ドールハウスみたいだ。橋を渡り、川べりの道を歩き、家並みを眺め、みやげ物屋をのぞき、ベンチに座ってのんびりと過ごす。今朝、日本で起床してから既に24時間くらい経っているけれども、この時点で私も友人も眠気なし。まだまだ今日が続いているし、明るいし変な感じだなあと言いながら、本日のホテルへ。

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ホテルは「ナンバー フォー アット ストウ」。部屋はきれいでひろびろ、アメニティもベッドもおやつもきれいに揃っていてとても気持ちのいい場所だった。日本人客は一人もおらず(というか、宿泊者名簿を見る限り外国人は一組もいないようだった)。テーブルで絵葉書を書いたり、庭を散歩したり。

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ディナーはホテルのレストランで。久しぶりに食べる、動かない床での食事! 前菜とメインを選ぶスタイルだったのだが、読めないメニューは頼めないので、単語を拾いながらオーダー。前菜として「アスパラガスの何とかかんとか」をお願いしたらこれが運ばれてきた。皿の上に、ひたすらアスパラガス。えっ、と思ったけれど、これが美味しかった! バターの香りのソースと良く合って。食べ終えて、メインには「サーモンのなんとかかんとかリゾット」を選んだのだが、これの上にもアスパラが3本ほどのっていたよ・・・。今、ホテルがアスパラ推しってことはよくわかった。

アスパラもリゾットも、それから友人が頼んだステーキも、さらにデザートも、なにしろ量が多すぎる。美味しいし、私たち二人ともかなりよく食べる方だけれど、もう無理です入りません、胃袋も体つきも日本人サイズなんです、あなた方みたいに大きくないんですよ! しかもここで、二人してどうしようもなく眠気に襲われる。フォークをカチャカチャと動かしながらも睡魔に勝てず、椅子の背もたれに思いっきり寄りかかりつつ、「眠いよう」「満腹だよう」「部屋に戻ってだらだらしたいよう」。かくして、たっぷり時間をかけた夕食を終えて部屋に戻り、お腹をさすりながらだらだらしたのであった。

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寝る前に、ちょっと外に出てみた。これで午後10時。 日が長くていつまでも明るくて、夜なのか何なのかわからなくなる。もう1日以上起きっぱなしなので、やっとベッドに横になって眠る。寒いので、暖房をつけて、毛布と布団をかけて。ベッドは二つあって離れているのに、掛け布団はなぜか大きな一枚を二人で掛ける仕様になっていた。いったいなぜ。この夜から、ふたりのベッドの距離は縮まる一方なのだった。 旅の一日目はここまで。二日目は移動に苦労し、英国紳士に出会うことになる。

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