旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。


パリ旅1 アパート選びの条件はベッド問題

2015年の秋にパリに行った。シルバーウィークの長期連休が終わる日に出国という、航空券最安値のタイミングをねらったスケジュールである。関空~パリ間の直行便往復が9万円台。うむ、安い。

友人Mちゃんの「ホテルではなく、アパートを借りて滞在したい」という提案に飛びつき、パリに行くと決めたその日から我々のアパート探しが始まった。旅行者向けに短期で部屋を貸してくれるアパートはたくさんある。私たちの条件は、メトロのアクセスがいいこと、周囲にスーパーや商店街があること、二人が過ごすのにせますぎないこと、そしてこれが一番重要なのだが、ベッドが二つあること。

この「ベッドが二つ」という条件が難しくて、二人用の部屋なんだけどベッドは一つしかないというパターンがとても多かった。なんで? 愛の国フランス、カップルではない二人組が一つの部屋に暮らすという発想はないのかしら。設備も立地も最高なのにベッドが一つという部屋をいくつか見送ったのち(我々はあくまでも「良き友人」のラインを守る)、ついにベッド二つの理想の部屋を発見。メールでのやり取りの末、感じのいいアパートの5階に、つかの間の住みかを借りたのだった。

現地の大家さんと仏語または英語で交渉したかのようだが、残念ながらそんなスキルはない。日本人旅行客向けに、日本語で仲介してくれるありがたい会社があるのです。担当がとても良い人だった。お世話になった「パリ生活社」のサイトはこちら。 

Mちゃんも私もパリは二度目。お互いに「前に行ってもう一度行きたい場所」「前に行けなくて次こそ行きたい場所」を挙げたりしつつ、しかし旅行前に顔を合わせても、ハーブスでケーキを食べたりカヌレの専門店に行ったりするのに忙しくて、具体的なプランが一向に決まらない。

っていうか、ガチガチに計画を決めたいタイプでもなかった。予期せぬ出来事が起こって、そわそわしながらもそれを楽しむのがいつものパターンだった。今回、出発前の必須事項として決めたのは「ミュージアムパスは4日券を買う」ってことくらい。これを見せればパリ周辺の美術館や博物館に入り放題!のミュージアムパス、利用期間は2日・4日・6日の3種類があり、購入時にどれかを選ばなくてはいけない(途中で延長はできない)。足りなくなるのも余らせるものもったいないので、滞在中、パスが使える場所に何件くらい行こう、これなら元が取れるよねってところだけ確認して4日券を買うことにして(買うのは現地に着いてからなんだけど)、あとはまあ、なりゆきでってことで。

出発前夜は大阪市内にあるMちゃん宅に泊まったのだが、ここで面白いことがあった。Mちゃんがトランクに入れようとしていた服が、私が直前まで迷って持って行くのをやめたのと同じものだったのだ。同じブランドの、同じ形のブラウス(ただし色違い)。「私も同じの持ってる! でも今回はこっちにした」と、これも同じブランドのリバティプリントのワンピースを披露する私(Mちゃんも私もリバティプリントが大好きなのである)。

そしたらMちゃん、ニヤリと笑いながらクローゼットを開け、「じゃあ私はこれ」と言って荷物に加えたのが……

これまた同じリバティプリントのブラウスなのだった。同じ柄! 色違い! どんだけ趣味が似てるのか。少ない洋服をがんがん着回すつもりの私たち、一体何日目にペアルックになっちゃうのだろう。 おそろいの洋服をトランクに詰めて、6泊8日のパリ旅が始まる。

以前買ったグローブトロッターのネームタグが、やっと海を渡るときがきた!

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