友人とお昼を食べたあと、金沢市寺町にある【ワザナカフェ】へ行く。バス通りに面した窓際のカウンター席に並んでおやつ。ひとりで何度か来たことのあるカフェだけど誰かと一緒に行くのは初めてで、そのことが新鮮でなんだかうれしかった。
カスタードプリンとほうじ茶ラテ(アイス)を注文。かためのプリンに、しっかり焦がしたカラメルソースがたっぷりかかってる。「ほろ苦い」を少し超えた「苦い」寄りの味と香り。それがいい。甘いホイップクリームとの組み合わせも。
友人と、私たちは仕事とか働き方において何を求めてるんだろう、一体どうなりたいのか、どうあれば満足なのかを決めるのは自分しかいないのに、その自分がどこへ行きたいのかわからなくて迷うよね……というような話をする。若い頃から見たらもう若くはなく、しかし人生まだまだ長いといえば長くもあって、まったく悩ましい年頃なのである。
とかなんとか、まじめな話やそうでもない話をしつつふと窓の外を見たら、目を疑うほどの大雨が降っている。あたりが白くけむって見えるほどの強烈な横なぐり。さっきまで一滴も落ちてなかったのに、ちょっと待ってこんなつもりじゃなかった。私は小さな日傘しか持ってないし、友人はそもそも傘を持ってきてない! 店先の大きな鉢植えが派手に倒れるわ、通り沿いで雨宿りしてる人のビニール傘がきれいに反転するわの暴風雨で、もう一歩も外に出られる気がしない。スマホで雨雲レーダーをにらみつつ、小止みのタイミングで「今だっ!」と店を出て、とりあえずバス停へ向かう。
小さな傘に身を寄せ合って水たまりをよけ、風が強くてあおられそうになっては「だめだ、傘は使わないほうがマシ!」とたたんで、ふたりできゃあきゃあ言いながら。どうしようもない状況なのに不思議と悲壮感はひとつもなくて、というか気分としては楽しいくらいだった。そして、友人との20年のつきあいのなかで、これまでにもこういう瞬間って何度もあったよなーと思い返して懐かしい気持ちにすらなってた。雨に降られたことに限らず、ピンチ発生!からの結果オーライでむしろいい思い出、みたいなことが。強風に吹きつけられながらそんなことを思った、夏の終わりの夕方。
▼その友人と、イギリスで列車に乗り間違えて大慌てだったとき。
▼これもその友人と、衛兵交代でやっちまった!!なエピソード。