旅と日常のあいだ

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あんかけスパゲティを求めてKITTE名古屋のヨコイへ。くせになる魅惑の味。

家族で名古屋駅周辺でお昼ごはんを食べることになり、せっかくなので名古屋グルメ的なものを食べたい私が推したのが、あんかけスパゲティ。以前にも何度か食べたことがあり、そのたびに未知の驚きかつ不思議な懐かしさを呼び起こす味がして、なんとも言えない魅力があるのよね。

調べてみたら名古屋駅すぐそばのKITTEに有名なヨコイがあった。地下1階。GWまっただ中の5月5日、13時で8組くらいが並んでいた。行列はイヤだがヨコイのあんかけスパには代えられぬ。静かにじっとしていられるわけがない4歳をなだめすかしたり抱っこしたり列を離れて冒険したりしながら待つ。30分ほどで着席。

並んでる間にメニュー表を渡されて、私は一番人気かつ超王道のミラカン。夫はカントリーピカタ。メニュー名だけでは何のことだかさっぱりわからんな。ミラカン=ミラノ(ウインナー・ハム・ベーコン)+カントリー(オニオン・ピーマン・マッシュルーム)。ピカタは豚肉に玉子をまぶして焼いたもの。子は自分で決めたハッシュドビーフ。あんかけスパゲティの店だと言っておるのに! 世評や人気に惑わされることなく好きなものを貫ける4歳児の無垢さよ。(←実際あんかけはだいぶスパイシーで子どもには厳しめなので、この選択は正解。天才。)

やってきました「ミラカン」990円。すべての品にミニポテトサラダ付き。上に乗ってるのはクーポンで特別にゲットしたカニクリームコロッケ。

いったい何年ぶりか思い出せない久しぶりのあんかけスパゲティ、また出会えて感無量である。ひとくち食べて、そうそうこれこれ! 見た目以上にどろりとしていて、ソースではなくまさに「あんかけ」がふさわしい質感。そしてハッとするほどこしょうが効いていてぴりりと刺激的な味。食べ始めは「やばい、結構からい…!」と思うんだけど、食べてるうちにぴりぴりがくせになってくる。麺の半分くらいはあんがまったくかかっていないので、からませる量を適宜調節できるのがよい。この麺がまた、太くてむっちりしていて独特なおいしさがあるんだ。スパゲティという呼称を忘れてついつい「麺」と言いたくなっちゃう感じ、わかるだろうか。ウインナーは、令和の時代にまだあったのかという表面真っ赤なタイプ。これとハムとウインナーが大量で、なんかもう一昔前の子どもが大喜びのプチごちそうみたいな雰囲気。大皿いっぱいのボリュームを、お腹いっぱいなんだけど手と口がとまらず、最後のあんまでつるりとすくって食べつくした。

いやー、ここならではの味を堪能。日常で作ろうとか食べようとかはまったく思わないし存在じたいを忘れてるんだけど、数年に一度ふと食べると、「いいなあ、おもしろいなあ、またいつか食べたいなあ」となる。ちなみにあんかけスパゲティがたぶん初めての夫は「おいしかったけど、からかった」という淡々とした感想。ハッシュドビーフの4歳は「めちゃくちゃおいしかった」と大人サイズを一人で完食(コロッケも)。胃袋どうなってるの、フードファイターなの? 

スパゲッティ・ハウス ヨコイ KITTE名古屋店 KITTE名古屋B1F