旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。


松本旅1、サマーフェストでワインとビーフ

夏も終わりかけの八月下旬、青春18きっぷで長野県は松本市へ行った。いつもは行き当たりばったりだが、今回は精力的に「行きたい店、買いたいもの」リストまで作った。リストっていうか、五センチ角の付せんにメモしただけだけど。

・松本サマーフェストへ
・喫茶まるもでコーヒー
・mauve(モーブ)のアクセサリー
・くるみだれのお蕎麦

18きっぷ旅の朝は早い。午前5時過ぎには家を出て、始発の次の次くらいの電車に乗った。静岡から松本まで片道6時間、何度乗っても長くて遠い。だけどこの、「夏の朝、がらんとすいた電車にえんえん乗る」ことじたいもやりたかったことのひとつだ。本を読んでウトウト、景色を見てウトウト、おやつを食べてウトウト。

正午ちょっと前に松本着。まずはくるみだれのお蕎麦をめざして、人気店のみよ田に行ってみた。前に行ったときは長蛇の列で入店できなかったのだが、この日もやっぱり大行列。10数秒であきらめ、実は今日のメインイベントである「松本サマーフェスト」へ移動。公園にテントが立ち出店が並び、地ビールやら地ワインやら、おいしい料理やおつまみが食べられるという野外イベントだ。

なんといっても美味しかったのがローストビーフ。数日前に知人のFacebookで「松本サマーフェストのローストビーフが旨すぎ」という投稿を見てローストビーフが食べたい病にかかり、ビール好きの友人に「ねえねえ昼間から外で地ビールを飲んだり肉を食べたりしようよー」と誘いをかけ(そして6時間も電車に乗せ)、念願かなってのローストビーフさま!

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ローストビーフ(200グラム)だけでは足りないと判断し、ウィンナー盛り合わせとトリッパも。これに私は長野産ワインの赤と白。友人は穂高の名を冠したビールを飲んでいた。会場は大にぎわい、テーブルも満席。ちょうどいいぐあいの曇り空で、風が吹いて涼しい。ローストビーフは柔らかく脂身はとろける甘さ。口の中いっぱいに味わいつつキリッと冷えたワインで流し込んだところで、弾けるようなウィンナーにかぶりつく。なんという幸福感と充実感! こんなに美味しくて楽しいのにまだ昼の12時半! (そして家までは6時間!)

次なる目的地の「喫茶まるも」にてケーキを楽しむためには腹ごなしが必要ね……というわけで、ちょっと離れたギャラリーカフェまで歩くことにした。ガルガというそのお店を知ったのは、初夏に九州に行ったとき飛行機で見た機内誌がきっかけだった。長野県在住のアクセサリー作家の話が載っていたのだが、mauveというブランド名で発表されているそのアクセサリーの素敵さに一瞬で目を奪われた。モチーフが、山や高山植物なのである。ときめく! どこで作品を見られるのか調べたら、そのうちの一店がここ松本にあるガルガなのであった。

ガルガに向かう道すがら、あるお店の入口に妙に人が集まっていた。気になってふと足をとめたら、ここにもまた胸がドキドキする出会いが待っていた。松本、たまらんな! 店の名は、「栞日(しおりび)」。