旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。



秋の山歩き、山梨県の三方分山と不完全な味噌ラーメン

山の友と、「年内にあと一回はどうしても山に登りたい。歩きたい。よい景色を見たい。近すぎず遠すぎず、高すぎず低すぎないこと。歩行時間は3~4時間。何より重要なのは、疲れすぎないこと」という点で意見が完全一致。晴れた秋の日に、さあ山へ登ろう!ということで山梨県精進湖へと向かった。めざす山は、湖の北西にある「三方分山(さんぽうぶんざん)」。

途中の朝霧高原に、富士山がきれいに見える場所がある。ちょうど友人が「先日、ススキの名所である箱根の仙石原に初めて行ったけれどススキ草原が狭くて拍子抜けした」という話をしていた矢先、車の右手には一面のススキ草原。きらきら光る穂先がどこまでもどこまでも続いており、果てが見えないくらいの広がりの向こうに富士山がそびえているのであった。ススキを見るなら仙石原より朝霧だよ、スケールの大きさが違うもの。

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車を降りて歩いていたら、ススキ越しの富士山を撮影中のカメラマンに「いいね、そこにいて!もうちょっと前!」と立ち位置を指示され写真を撮られる。「君らの背中と、ススキと、富士山と、太陽。いやあこれはベストショットだ。この写真は年賀状にするよ。二科展にも出すよ!」とカメラマン。この調子の良さ、嫌いではない。二科展入賞を楽しみにしております。

再びのドライブ、車内でしゃべりまくっているうちに目的地である精進湖を華麗に通り過ぎる。いかんいかんと来た道を戻って精進湖へ。いざ登山開始というときに、「そういえばお昼ごはんの準備がない。パンもおにぎりもない。チョコレートしかない、これはまずい」ってことになり、また来た道を戻って最寄りのコンビニへ。いろいろと適当すぎる。

カップ麺とパンとお菓子を買って今度こそ出発。車を降りたら湖畔に吹く風がめちゃくちゃ冷たい。「さむっ!ムリムリ!歩けない!」 逃げるように車に戻りドアを閉める。寒さのあまりやる気をなくしかける。ウールのインナーにフリース、ゴアテックスのアウター、毛糸の手袋に毛糸の帽子。足元はスパッツの上に保温機能のあるパンツを重ね履きという今季一番の防寒仕様。行くしかない。震えながら車を降り、さむいさむいさむいーーー!!!と連呼しながら歩き始めたのだった。 

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湖畔の集落を抜け、舗装路を少し歩くと山道になる。林の中、緩やかな登り坂を進む。木々の葉は半分ほどが落ちており、足元にふんわりと積もっていた。小一時間で峠に出る。そこから40分ほど尾根を歩き、三方分山の頂上に出た。

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頂上は一方しか視界が開けておらず、そこも木が多くてあまり広い眺めを得ることはできなかった。精進湖と富士山を見ながらここでおひるごはん。お湯をわかしてカップ麺をつくる。持って行ったのは味噌バターラーメン。いやあ、温まりそう! 

 お湯を入れ、静かに待つこと3分間。山頂で食べるアツアツのラーメンは最高だ、やっぱり冬は味噌ラーメンに限る、体の温まり方が違うわ! あっという間に完食。ふと視線を下に向けると、土の上に「味噌バターラーメンのスープ」と書かれた小袋が落ちている。え、スープ……? まさかそんなはずはないと思いたかったが、それはどう見ても、カップ麺に入れるべきスープのもとなのであった。そういえば私、スープを入れた記憶がない。麺にお湯だけをかけて食べていたようだ。それってつまり、味噌の味もバターの味もしてないってことだよね。味のないラーメンを食べ、しかも「味噌バターはさすがに温まる」とまで思い込んでいた自分は一体どこまで適当なのか。それにしても思い込みの効果がこんなにも大きいとは驚きである。使い損ねた味噌バタースープは持ち帰った。白いご飯にでもかけて味噌バターご飯にしよう。

 というわけで山頂でのお昼を終え、軽いアップダウンを繰り返しつつ次の峠に出て、さらに縦走するコースもあったけれど体力や時間や気分と相談したうえで下山することにした。下りの傾斜はかなり急。落ち葉が降り積もる道を、すべらないよう注意しつつずんずん進む。

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前日の夜中に作ったボーダータイツがお似合いです

 再び戻ってきた湖畔はやっぱり風が冷たくて、山より寒い!って言いながら急いで車に戻ったのだった。休憩を除く歩行時間は3~3時間半くらいか。秋の山は寒いけれど、汗をダラダラかきながらの夏山はそれはそれでつらいので、私には秋のほうが歩きやすい。たぶん、味噌バターラーメンに味噌バターをちゃんと入れていたら、ちょうどいい感じに体も温まってなお快適だったんではなかろうかと推測する。

 このあと、カフェに寄ってから、ご当地名物の吉田うどんを食べに。

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