桜がちょうど見頃の日曜日。朝から文句なしの晴天だし、今日は何の予定もなし。お花見としてここまで完璧な条件がそろうのは数年に一度レベルでは？という絶好のタイミングに、桜の名所である金沢市の卯辰山公園に行ってきた。
駐車場まで来て初めて、人出の多さに驚く。普段はどこにでも停められるのに空きを探してぐるぐる。そりゃそうよな、こんな日はみんな花見に来るよね。ほどなくして、ちょうど出ていく車のあとにするりと駐車。レジャーシートとお弁当を持っていざ。
着いてまず、池を見たいという子どもの希望で「大池」へ。大きく張り出した桜の枝が水面に映り絵になる風景。草陰にアオサギがたたずんでいた。
園内の一角にある「さくらのひろば」。ここでピクニックをするつもりが、全体がフェンスで囲われて立入禁止になっていた。なんてこと！ 危険のため、としか書いておらず理由不明。ぎりぎりまで近づいてフェンス越しに写真を撮るのが精いっぱいだった。見えているのに入れない、花がすぐそこに咲き誇っているのに誰も届かないという。みんなに等しく閉ざされた幻の庭園…と思えばそれはそれで神秘的な気もするけど、しかしなんでだろ。桜の下を歩きたかったなあ。
遊具広場から少し離れた木陰に陣を張る。花見グループいっぱい、テントいっぱい。我が家のテントは去年の秋に壊れたので（ここ卯辰山公園でのことだった）、レジャーシートのみ。
イオンで買った、芝寿しの期間限定弁当。唐揚げ、エビフライ、ハンバーグ、卵焼き、これぞ王道の行楽メニュー。そしてポテトサラダにスパゲティナポリタンに炊き込みご飯、寿司という炭水化物オンパレード（どれも美味）。子はいなりずしとたまごサラダ、夫は牡蠣ごはん弁当を選んだ。さて食べよう、と思ったら車にお箸を置いてきたことに気づき、夫に駐車場まで往復してもらう。
お弁当を食べ、おやつを食べ、すべりだいやアスレチックやしゃぼん玉で遊ぶ。園内は起伏がありいい運動になる。高い位置からは、桜とともに山の峰を遠望できていい眺め。
荷物をまとめて車に戻り、園内の奥まった場所にある「四百年の森」へ。車で10分くらい。くねくね一本道の果てが目的地なのだけど、着いてみたら駐車場は満車。私と子だけ先に降り、夫は手前にあった駐車場まで車を停めに戻っていった。花見シーズンをなめたらダメだということがよくわかった。
四百年の森、初めて行ったけどよかった。芝生と遊歩道が整備された一帯に桜が250本。遊具はなく、さきほどの広場と比べて静かで落ち着いてる。
あずまやのベンチから桜を眺める。
展望台に登って見下ろしたところ。谷間にふと現れた桃源郷といった趣きだ。桃じゃなくて桜だけど。
花見らしい場所で花見らしいことをして満足。よく歩きよく遊んだ子は「いなりずしをたくさん食べて筋肉マッチョになったからあと一万歩くらい歩ける」と豪語。しかし最後には「だれか～、抱っこしてくれる人いませんか～。おとうさんとおかあさんが交代で抱っこしたらいいと思います」。帰り道、車に乗ったらすぐに寝た。おつかれさん。春の明るい光のなか、ただひたすらにほのぼのとした時間だった。よい日曜日。
