ロンドン滞在6日目、これすなわち滞在最終日。 友人Nが発熱し、一日寝込んで医者の往診を受けたのは前日のことである。そのときの記事はこちら。
明けて今朝、Nの熱は下がっていた。気分も悪くないということで一安心である。念のため再診に来た先生も「もう大丈夫でしょう」と。前日、「先生が歌手の狩人に似ている」と話していたNであるが、私が見たところ「少々やつれ気味の渡部篤郎」の方が近いように思った。病み上がりなんだからいつも以上に大人しくしているべきなのに、「少しならお酒を飲んでも大丈夫ですか」などと質問するN。まあほどほどに、と答える先生の顔は、その瞬間さらにやつれの色を濃くしたようであった。
というわけでロンドン最終日のこの日、ついに大英博物館に行ったのである。Nの体調回復も嬉しいし、旅の目的の一つであった念願の大英博物館。 興奮のあまり、道を歩きながら「いやあ楽しみだね、大英帝国!」「どれくらい広いんだろうなあ大英帝国は!」と何度も言い間違える始末である。
大英博物館の目の前にスターバックスがあった。入館前に朝食をとる。 初めて入る、異国のスターバックスである。
メニューに、日本では見たことのない飲み物があった。Vanilla Spice Latte。もしかすると数か月後に日本にもやってくるかもしれないし、先に試してみよう。トールサイズを注文。もちろんここでも、ホイップクリーム多めでお願いする。
レジのお兄さんが「名前を教えて」というので答えたら、カップに名前を書いてくれた。うわあ、こんなの初めて。レジまわりにほかにお客さんはおらず、カップの取り違え防止のために記名したとも思えない。スタバでは、たまにカップにイラストとか「Thank you!」とかを書いてくれることがあるけれど、その延長のサービス? 旅行客向けによくやるのかい? しかし隣にいた友人のカップには何も書かれていなかった。ということはお兄さんめ、私としゃべりたかったのね? 素直に誘えないから、カップに名前を書くという口実で名前を聞いたのね? ひょっとして名前のほかにも隠されたメッセージ(「ホイップだけじゃなく気持ちも多めに入れておいたぜ」「あとで、博物館のミイラ館で待ってる」など)が書かれているのではとカップを凝視したが、何も見つからなかった。あれー?
バニラ・スパイス・ラテは、ショウガがきいてピリッとした味。ショウガ好きにはよろしいでしょうが、そうでもない私にはスパイシーすぎた。嫌いじゃないけど、日本で発売されても頼まないな。
バターたっぷりの「レモンケーキ」も一緒に。なぜかケーキの断面に星形のチョコレートがひとつ。こういうふうに出すのがこのケーキのルールなのか、間違って別のケーキの飾りが付いちゃったのか。もしくはこれこそがお兄さんからの秘密のメッセージなのか?と深読みしてみたが……ダメだ、これだけじゃ何も読み取れない!!
ところでスターバックスでもほかのカフェでもそうだったのだが、店で食べる(for here)のと、持ち帰り(take away)では値段が違うのね。店で食べる方が高い。日本のスタバはどちらも同じ料金なのにな。それからドリンクのサイズも違う。日本では小さい順に「ショート」「トール」「グランデ」「ベンティ」の4サイズだが、ロンドンのスタバにはショートサイズというものが存在していない。最小でもトール。彼らにとってショートは小さすぎるってことか。
さあそれでは、大英博物館へ。