旅と日常のあいだ

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伊坂幸太郎『逆ソクラテス』さくさく読んだけど、さらなる爽快感がほしかった

本日6月16日は「和菓子の日」だそうな。さっき知った。和菓子をつまみながらこのブログを書いていますと言いたいところだけど、いまシュークリームを食べている。美味。このあとリングフィットアドベンチャーをするから、その分のカロリーの前借り(?)ということで……。

 

『逆ソクラテス』伊坂幸太郎 

伊坂さんの最新作。なんとも不思議なタイトルだけど、読めばその意味と仕掛けがわかる。帯にある「敵は、先入観。世界をひっくり返せ」というフレーズのとおり。そのつもりで読んでいても、気がつくとうっかり先入観にとらわれており、世界がひっくり返る結末にハッとしした。

短編が5作で主人公はどれも小学生。嫌な大人や嫌な同級生に自分たちの方法で立ち向かう姿勢がいい。先生や親の魅力的なキャラもいい。特に表題作の「逆ソクラテス」と2作目の「スロウではない」がおもしろかった。あと、嫌なことがあったら迷わず逃げたり休んだりしていいんだよというメッセージはすべての子どもたちに届いてほしい。でもどれも、ストーリーの爽快感が足りない! もっとスカッとさせてほしい! 伊坂さんには何よりもそこを期待しているので、私にはいまいち物足りなかった。

伊坂さん自身がデビュー20年の集大成だと言っているけど、いやいや、これがベストってことはないと思う…というのが私の感想。デビュー作から今まで8割がた読んでるけど、最近のものを読めば読むほど初期作品のほうが好きだったなと思ってしまう。

伊坂作品では、初期の『オーデュボンの祈り』『アヒルと鴨のコインロッカー』『ラッシュライフ』 あたりが大好き。しばらくぶりにまた読み返したくなった。

さて、そろそろリングフィットアドベンチャーをするか。職場の健康診断まであと5日。体重減のための悪あがき……。