金沢にあるインド・ネパール料理店「アシルワード」のカレーを食べた。初。
先日発売された『ミシュランガイド北陸2021特別版』掲載店で、インド料理店としては北陸3県で唯一。「ミシュランプレート」というカテゴリーでの選定で、基準は「新鮮な食材を丁寧に調理して作られる良質な食事」とのこと。
4種のカレーのテイクアウトセット2000円。ライスはつかない。この日はダヒチキン、キーマ、ほうれん草とマッシュルーム、ひよこ豆。値段を聞いて一瞬「高っ」と思ったけど、実際は1つが1食分くらいの量で、我が家では大人2人がシェアしながら2回に分けて食べた。そう考えたらそれほど高くない。何より、非常においしかった。いつのまにか勝手に持っていた「インドやネパールのカレー」のイメージをいい意味で覆す、私にとって目の覚めるような経験のカレーだった。2000円、高くない。その価値はあるよ!
そもそも、本場のカレーはスパイスいっぱい&辛いのが前提だと思いこんでいた。なので、スパイシーなのも辛いのも苦手な私には食べる動機がなかったのだけど、夫が買ってきて「辛くないよ」というので食べてみたら、これがまあ本当に辛くない。辛さとかスパイスの刺激がガツンとくるのではなくて、それらは味の全体の奥底にあるというか、縁の下の力持ちというか。たとえばほうれん草とマッシュルームのカレーは、カレーの味の前にまずほうれん草とマッシュルームの味がする。ひよこ豆のカレーも同じで、最初に豆のほくほくした食感と甘さがあって、「えっ、ひよこ豆おいしすぎ」ってなって、それからカレーがやってくる感じ。そうそう、具がどれも大きいし多いのだよね。カレーがあって具を入れてるというより、具があってカレーを合わせてるような。言ってること、伝わるだろうか……?
とにかく、どれもめちゃくちゃおいしいぞ!っていう感想で、おかげでごはんが普段の2倍すすんだ。(必死こいてリングフィットアドベンチャーやらねば)
以下、アシルワードのFacebookページに投稿された店主の文章。
当店の料理は、「スパイスがガツンと効いていて美味しい」という感想に皆さんを導くようなものではありません。「カリフラワーってこんなに美味しかったっけ?」「どうしてカリフラワーがこんなに美味しくなるのだろう?」と、そんなふうに感じていただける料理です。
インドやネパールでは、そもそもスパイスをまったく使わずに調理された料理は、ライスやパン類以外では見たことがありません。だからこそ、多用することよりも控えることが好まれ、効かせることよりも抑えることが望まれるのだと、私自身はインドやネパールの人々と接しながらそんなふうに考えるようになりました。
https://www.facebook.com/aashirwad.kanazawa
納得。そして、こんなふうに語る店主のつくる料理をほかにも食べてみたくなった。
アシルワード 石川県金沢市長町1-4-59