旅と日常のあいだ

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2015北八ヶ岳・天狗岳(1)

夏山シーズンに向け、足慣らしを兼ねて友人と計画した1泊2日の北八ヶ岳。今回はあくまでも本格登山の前のトレーニング、山頂を目指すことはせず森の中をのんびり歩こうねって言っていたのだが……。

私という人間は、道さえあればどれだけでも歩きたくなってしまうこと、そして登山道に入ったからには山頂を目指さずにいられない性分なのだということがよーくわかった。2日目なんて歩行4時間の予定が結局10時間近くも歩いて二つの山頂を踏むことになり、トレーニングどころか初回から本番。

以下、初めての北八ヶ岳、通称「キタヤツ」の登山記録。

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2015年6月13日(土)~14日(日)くもり・晴れ
◆1日目=白駒池駐車場8:50-11:10にゅう11:25-12:45中山峠-12:50黒百合ヒュッテ(昼食)13:50-15:15しらびそ小屋(宿泊)

◆2日目=5:30朝食6:40-8:10中山峠-8:20黒百合ヒュッテ(荷物を置く)8:45-10:20東天狗・西天狗11:10-12:10黒百合ヒュッテ(昼食)13:40-15:50高見岩16:10-17:10白駒池駐車場
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北八ヶ岳の特徴は「森と苔」だと言われるが、歩き始めてすぐにそれを実感した。果てがないほど奥まで続く樹木と、その根元を覆う苔。それはもう、いちめん緑色の世界。

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そこにふと現れる白駒池。葉っぱの向こうに見えるのは空ではなくて湖面である。透明すぎて、写真で見てもよくわからん。風もなく静か。

湖の周囲には木道が整備されている。ここを歩くだけならハイキング気分、登山の装備は必要ない。緑がきれい~、湖がきれい~、空気がおいし~。うれしくなってリカちゃんも飛び出すよ。 

キタヤツには470種類以上の苔が生息しているそうな。

イワカガミ。たくさん咲いていた。

しばらく歩いて、岩が突きだした展望地「にゅう」に到着。にゅうって変わった名前だな。登山道の看板には、ところによって「ニュー」とか「にぅ」とか「乳」とかいろいろな書かれ方をしていた。口にしたくなる響きだよね、にゅうって。(てっぺんの、人が立っているところがにゅう)

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にゅうからの眺め。眼下に先ほどの白駒池が見える。

ここでおもむろにリカちゃんを取り出して撮影していたら、関西弁の愉快な三人組が「うわあ、いいな!私たちにも写真を撮らせて!」と言い出した。リカちゃん撮影会 in にゅう。しかしあとで振り返ってみると、このときを最後にリカちゃんの帽子が紛失した模様。裏地がリバティプリントの可愛い帽子だったのに悲しいねぇ。今頃、にゅうの岩場にあの小さな帽子が引っかかっているのかな。

にゅうから下って中山峠をこえ、お昼休憩は山小屋「黒百合ヒュッテ」にて。 表にはこんなかわいい看板が。チョコレートリリー=黒百合。私はカレーライスを、友人はカレーそばを食べた。

休憩後、再び中山峠を経て次に目指すは「しらびそ小屋」。

この道が予定外の悪路であった。悪路っていうか私たちの調査不足なんだけど、森の中をゆる~く下る気楽なつもりで考えていたところが「ヒイッ」て息をのむくらいの急な下り。これがまた歩きにくいわすべりやすいわで、もう心底うんざりした。うんざりの最大の要因は、「明日の朝はこの道を登らなければいけないのか」ってことである。それはイヤすぎる。同じ道を行って帰ってという計画だったけれど、これはちょっとルート変更を考えたいね。そんなことを話しながら、しらびそ小屋へ到着。

小屋の前にひろがるのは「みどり池」。今夜はこのしらびそ小屋で宿泊である。このあと、若き山ガールたち(我々のことではない)と、小さな反逆と、寝言の話は次回に続く。