旅と日常のあいだ

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2015北八ヶ岳・天狗岳(2)

北八ヶ岳のつづき。(前回、白駒池~しらびそ小屋の話はこちらです

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白駒池駐車場から歩くこと約5時間、今日はこの「しらびそ小屋」に宿泊する。

手前の本館が受付と食事スペース、奥の別館が宿泊部屋と談話室。窓からはみどり池と天狗岳が見える。窓辺には小鳥やリスもやってきた。夕方の気温は15度と肌寒く、ウールの長袖シャツにフリースを重ね、あかあかと燃える薪ストーブを囲んで暖をとる。友人と私、夕食が待ちきれずにワインを注文。グラスで出てくるのかと思ったら、ボトル1本買いきりだった。ええー、こんなに~!と言いつつ、いい気分でぐいぐい飲み干す(主に私が)。

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夕食は、アジフライにポテトサラダにかき玉汁、そして生まれて初めて食べる鯉の洗い。どれも美味しかった。ワインもね。

消灯は20:30、明日の朝食は5:30。山小屋というのは、立地の素敵さやごはんの美味しさやリスの可愛さに関わらず、そして疲労度や達成感や明日の起床時間に関わらず、だいたいは「すぐに寝つけない」「何度も目が覚める」「なかなか朝が来ない」という三重苦に見舞われがちなものである。

この日はここに「おしゃべりすぎる山ガールたち」という第四の災厄が降りかかり、もうほんと、寝付けないなんてもんじゃなかった。登山を始めたばかりらしい若きガールたち、どうやら初めての山小屋泊であるようで、うきうきとはしゃぎすぎであった。彼女らを含め大広間に15人が雑魚寝なのだが、全員がもう布団に入っているのに、そして消灯が20:30だっつってんのに、なんで21時になっても隣室の荷物置き場でくっちゃべってるんだあんたらは!! お作法がなっとらん!

眠れぬまま横たわって静かにブチ切れた私、布団の上に憤然と立ち上がった。そして、それまでついていた大広間のこだま電球を消し、室内を真っ暗にしてガールズをびびらせるという小さな反逆に出た。まったく、反逆としてはあまりにも小さかった。荷物置き場を離れて部屋に入ってきたガールたち、「(くらいね!)」「(よく見えない!)」「(しーっ、しずかに!)」などと大きなヒソヒソ声を響かせ、やがて静かになった。こっちはまだ眠れないというのに、入ってくるなりスヤスヤと眠りやがってもう!

羊を数えたり腕を無意味に上げ下げしたりしてやっと眠りに落ちたと思ったら目が覚めて、時計を確認したらまだ0時。時間の進まなさに絶望する。早く朝になってよー、もう起きてしまいたいよーともぞもぞしていたら、隣の友人が急に明瞭な声を発したのでびっくりした。いわく、「風邪が治ってよかったねー!」。いや、風邪なんて引いてませんけど。続きを待ったがあとはゴニョゴニョ言うばかり。あの脈絡のなさ、どうやら寝言であったようだ。まったくもう、どいつもこいつも!

 

午前5時。待ちわびた朝がやってきて起床。まったく眠った気がしないが、顔を洗って外に出て、池と空と山を見たら元気になった。単純!

来るときに歩いた中山峠~しらびそ小屋の道を再び歩くのがイヤで(高低差がきついから)夜のうちに代替ルートを検討していたのだが、やはり当初の予定どおり来た道を戻ることにした。ほかのルートは時間がかかりすぎたり、道案内が十分でなく迷う危険性があったから。とにかく一歩ずつ進もう、ひとまずはそれが目標だ。

朝食を食べていざ出発。ちなみに朝食はとろろご飯だった。しらびそ小屋は、「薪ストーブで焼く厚切りトースト」の朝食が超・超・超・超有名なのだけれど、あちこちで紹介されてあまりにも有名になりすぎたせいか供給が追い付かないらしい。今はもう、宿泊予約時に「なんとしても厚切りトーストを!」と伝えておかないと食べることができないのであった。

そうとは知らず、私たち(そして前述のガールズも)、やや拍子抜けの気持ちでとろろご飯を食べる。とろろご飯は非常に美味しかったのだが、トーストを食べられなかった悲しみをやわらげるために、私もガールズも「パンよりごはんの方が腹持ちがいいよね」「実際、トーストってそこまでめずらしいものじゃない」「和食の方が健康的」などと必死に正当化していた。めんどくさい女子たち。

というわけで、朝ごはんで力をつけたところでキタヤツ登山二日目のはじまり。