旅と日常のあいだ

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小川哲の対談集『Street Fiction by SATOSHI OGAWA』感想

作家・小川哲さんがラジオ番組でゲストと対談したものを書籍化したもの。もともと小川さんの小説も文章も好きだが、対談のなかみもとてもおもしろかった。対談相手は、作家、映画監督、お笑い芸人、アイドル、ゲーム作家などさまざま。誰と話していても、相手やその作品に対する小川さんの誠実さが表れていると思った。

特に読みごたえがあったのは、やはり同業である作家との対談。小説というものや書くという行為について、お互いの深い話が展開されていて興味深かった。幼少の頃はどんな本が好きだったかとか、そこから読書分野がどう広がっていったかとか。小川さんや対談相手が小説を書くとき、どんなふうに考えてどんな方法でアウトプットしているのかという一端も見えて、それを知ったうえで作品を読むとまたおもしろさがふくらみそう。

対談相手には万城目学さん千早茜さんもいて、偶然にもちょうど両氏の著作を読んだばかりだったから、読みながらみんなの存在を近く感じた。あ~あれを書いたあの人ね、ハイハイあのときのあのエピソードねという親しみがあって、著作や人柄に多面的に触れたうえで好きになっちゃうみたいな。

ひととおり読み終えたあとも気になったページを見返したりして、あとからあとからいい刺激が回ってくるような一冊だった。小川哲という稀有な書き手をこれからも逃さず追っていこうという気持ちが強くなった。