
高橋源一郎のエッセイ。流行や時事ネタや巷のあれこれを取り上げてそこから連想されるドラマや映画や小説コンテンツを紹介するのだけど、なんといっても著者の視点と発想がおもしろい。知識と興味の守備範囲がとにかく広い! 圧倒的な博識ぶりに憧れるし、何に関しても好奇心を持って接しようとする姿勢を尊敬するし、軽妙かつ示唆に満ちた文章が心地よい。
ページをめくるたびに刺激を受けて、自分でももっと知りたくなったもの多数。お笑い芸人の鈴木ジェロニモさん(Youtubeを見た)、画家・中園孔二(評伝を読んだ)、フランスのドラマシリーズ「アストリッドとラファエル」(アマプラをチェックした)などなど。
かつてパーソナリティーを務めていたNHKラジオ「すっぴん」を長く愛聴していたのだけど、この本を読んでいるとずっとなじんでいた声と語り口で脳内再生されて、ラジオを聴いてるような親しみを覚える読書の時間だった。
この本はシリーズ4作目なんだけど(そうと知らずに手に取った)、あまりにもおもしろかったので1作目も読み始めた。冒頭いきなり「滝沢カレンは谷崎潤一郎だった」から始まって、おもしろさに心をがっちりつかまれてる。


