仕事が終わって送別会の開始まで2時間半という空き時間。予定では、図書館で本を借りてからスタバに行ってじっくり読むつもりだったのだが、貸出カードを家に忘れてくるという痛恨のミス。貸出をせず図書館で読めばいいんだけど、すでにもうカフェモカを飲みたい気分がおさまらないのでスタバ行きは絶対。
というわけで書店に寄った。思えば、買いたいものが決まっていない状態で書店で本を探すのがあまりにも久しぶり。普段は圧倒的に図書館利用だし、ほしいと決まっている本はWEBで買うので。書棚を眺めながら、わくわくするよりも途方に暮れる思い。本が多すぎて、それなのにどの表紙も同じように見えてきて、何がおもしろいのかどれを読むべきなのかがわからない。情報と選択肢が混沌としすぎて、どうすればいいんだ……となる。かつては確かに、用がなくても書店に行って、棚を見ながらどれだけでも過ごせていた気がするのにこの変化はどういうわけだ。自分の心境や価値観の変化なのかしら。一冊の本を買うだけなのに、失敗したくない(=出費に見合う本を間違いなく選びたい。いらない本で場所をとりたくない)気持ちが強すぎて、真剣に必死に見たので疲れた。
結果、ポール・オースターの『ブルックリン・フォリーズ』を買った。好きだとわかっている作家の未読作品という安定感。私は誰が好きなんだっけと一生懸命考えて、「そうだ、ポール・オースターなら間違いない!」と思いついて、しかし文庫本の棚は著者別ではなく出版社レーベルごとに分けられているので、各社の棚から「ポ」を探しては「これはもう持ってる」「これも読んだことある」と除外することを繰り返し、新潮文庫のコーナーでやっとこれに出会ったという。長かった。
平置きされてる文庫本を見て思ったんだけど、なんかアニメ調イラストの表紙がすごく多くない? ライトノベルにありそうなテイストの。それが嫌いというわけではないけれど、ぱっと見の差別化がなくて似たりよったりに感じられ、手に取る気が起こらなかったというのもある。いやしかし、リアル書店をあてもなくさまようことが、自分にとって楽しい体験ではなくもはやしんどさみたいになってるのがショックだな。
そのあと近くのスタバに行って、念願どおりカフェモカを注文。なんの前知識もレビューも知らぬまま読み始めた『ブルックリン・フォリーズ』はひとまずおもしろそうな幕開けであった。