旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。


本気のかまくらを作って昼も夜も楽しんだ

数日前からの最強寒波により大雪続きのここ石川県。雪かきをしてない場所では膝下まで埋まるくらいには積もっている。経験的、体感的には「絶望的な大豪雪」というほどではないけれど、わりと久々にどっさり降ったなあという思い。今冬は12月も1月も雪のほぼない穏やかな天候が続いていたので、その反動もあってか「これが北陸の本領発揮や…」という感じである。

というわけで、土曜日の今日はかまくら作りに勤しんだ。雪遊びが好きでたまらない子どもと前日から約束していたので。夜は風がめちゃくちゃ強くて吹雪いていたけれど、朝になったら雪はやみ、くもり空の合間に青空がのぞくような天候だった。気温は低いけど雪遊びには最適条件である。

朝食後、用事があった夫を送り出し、私と子は近所の公園にでかけた。広場には誰の足跡もついておらず、はしご遊具やすべり台は下から3段目くらいが雪の中。周囲にあるはずの階段も砂場もすっかり消え失せて真っ平らな雪原と化していた。適当な場所を定め、「ここを建設地にしよう」と決めてかまくら作りスタート。午前8時半からだよ! 壁を積み上げて作る方式をとったので、室内部分をまず整地。それからシャベルで雪をひたすら持ち上げては周囲にぐるりと乗せ、手でたたいて固め、ときには水をかけてシャーベット状にしてからまた雪をのせ…を繰り返した。気がついたら作業はほぼ私がやってて、子はちょっと離れたところで「自分用の基地を作る」といってなんかやってた。構わんよ、車もこないし誰もいないし好きに遊んでオッケーよ。

集中すること2時間あまり、大きめのあられが降ってきて一時中断。腰の高さまでの壁ができた。帰宅した夫とともにお昼を食べ、図書館に行き、お気に入りのたいやき屋さんでおやつを買う。家に戻って3人ともたいやきを半分だけ食べ、再び公園へ。後半戦は夫も参加である。壁を内側に傾斜させつつ屋根づくりに取りかかる。大人ふたりだと作業が早い。水を汲んだり上からかけたり、雪を運んできたり塗り固めたり。てきぱきと働いてかまくらの形が見えてきた。子は「おとうさん、やるじゃん~!」と調子のいい合いの手をいれつつ、自分はあいかわらず「自分の基地からかまくらにつながる通路をつくる」などと奔放な遊びをしていた。

午後4時頃についに完成。一般的イメージのかまくらってもっと丸っこいお椀型だけど、だいぶ縦長になってしまったな。中は大人2人と子ども1人がどうにか座れる広さ。遠目に見ると公園に突如現れた異物感がすごくておもしろい。隠れ家の雰囲気が子どもにとっては最高に楽しくて、ていうか大人にも同じくらい楽しくて、出たり入ったり、中でひそひそ話をしたり周りを歩き回ってみたり。5時頃まで遊び続けた。

家で夕食を食べたあとにさらなるクライマックスが。子が超楽しみにしていた「夜のかまくらでおやつを食べる」イベントである。昼にたいやきを半分残しておいたのはこのため。床面の温かさを確保するべくレジャーシートとダンボールとブランケットを用意し、小さなランプとろうそくも持っていった。

入口の両脇に作ったミニかまくらにろうそくを立てたら、一気に幻想的に! 近所の公園が、ここだけ急に雪まつりみたいになった~! シートを敷いたおかげでお尻がまったく冷たくない。たいやきを取り出してランプの灯りで食べるとき、子のテンションが最高潮に。「おいしいね、いいね、最高だね、本当にかまくらが作れると思わなかったね、明日も来ようね」と嬉しさあふれるコメントを連発しており、あまりにも楽しそうな様子を見て「なんか私たち、親の勤めを果たしてるって感じがするね」と夫と言いあった。一日のほとんどを雪の上で過ごした土曜日。子は布団に入って日課の絵本を見たあとはあっという間に眠った。きっと楽しい夢を見ているはず。

明日の日曜日もまだまだ遊びたい。どうかお願い、かまくらが無事でありますように!