とある平日休みの日、本を持ってスタバへ行く。ホットのマカダミアホワイトスノーモカにエクストラホイップ。こんもり盛られたクリームの上に白とブルーのキャンディがきらきらして、「風は冷たいけれども空気が澄んで気持ちのいい雪の朝」を思う。現実としての極寒や雪かきの苦労は勘弁してほしいけど、イメージとしての雪やつらら、そこに反射するひかり、白くて静かな道、あるいはイルミネーションが輝く街には安らぎや祝祭感をおぼえる。キャンディのきらきらにそんな風景が重なって見えて、なんだかいい気分になった。
マカダミアホワイトスノーモカは、しっかり甘くてリッチでミルキーな味だった。甘くて冷たいものは最後には飽きるけど、甘くて温かいものは幸せになれる。冬の入り口にはなおさら。多めにしたクリームをスプーンですくって、温めたキャラメルトフィースコーンにつけながら食べれば完璧である。
この日の読書はスティーブン・キングの『心霊電流』。狂った牧師が人知と理性を超えた振る舞いをぶちかますホラー大作である。平日昼過ぎの郊外スタバはぜんぜん混んでないし一人客ばかりだし、長居で読書するのにぴったり。甘くてきらきらした幸せな冬のイメージとは正反対の、恐怖と怪奇の物語に没頭したのだった。