11月はじめの三連休、栗を求めて岐阜県は中津川へ行ってきた。栗といえば中津川、中津川といえば栗。10月中旬から私の栗好きが加速しておりこのブログも栗まみれだったのだが、思いが募りすぎてもうこれは聖地を尋ねるしかあるまい!となったのだった。秋のすべてを栗に捧げる勢いの私と、あれば食べるよという程度の夫と、栗に1ミリも興味がなく一切食べない子どもとの2泊3日ドライブ。
出発の土曜日は全国的に大雨だった。中津川のプラン(栗コンテンツ以外)として、渓流歩き、銀の森という公園散策を考えていたのだけど、雨の中ではどちらも無理。翌日は晴れ予報だったので屋外遊びはそちらにまとめることにして、初日は移動のみと割り切った。石川県の自宅から中津川まですんなり行けば3時間半。急ぐ理由もなし、のんびり行っても夕方までにはホテルに着くだろうと午前10時過ぎに家を出た。ところがどっこい、結果的に中津川に着いたのはすっかり暗くなってから。ずいぶんのんびりしたものだな。
雨がたたきつける東海北陸道。色づく山々を楽しむどころではなかった。城端サービスエリア(富山県)にてお昼ごはん。豚肉温玉丼を食す。運転は夫と交代で。去年まで立派なペーパードライバーだった私だが、実地訓練を重ね、いまや雨の高速も対面通行も走れるぜ。心のなかで「すべては栗のため…!」と唱えながらハンドルを握りしめていた。
ちなみに車内BGMは、子どものリクエストによりフィンガー5の〈学園天国〉。これのみをエンドレスリピートという謎の縛り! 途中30回くらい「別の曲に変えない?」と提案したが却下された。あれから数日経つが、今もふと「ヘーイヘイヘイヘーイヘイ」が脳内に流れ出して止まらなくなるという後遺症が出ている。
なんやかんや休憩したりおやつを食べたりで、中津川に着いたのは17時過ぎ。あわよくば夕食前にどこぞの甘味処で栗ぜんざいとか栗アイスでもと目論んでいたが、そんな店はすでに閉まっている刻限であった。
ホテルのすぐそばに栗きんとんの有名店「川上屋」があったので駆け込み、栗きんとんと栗蒸し羊羹を購入。何店舗かある川上屋のなかでもここ手賀野店でしか売らないという「栗粉餅」なる商品もほしかったのだけど、すでに売り切れていた。翌朝の再訪を誓う。
今夜の宿はホテルルートイン中津川インター。味気も何もないが、大浴場があるのがポイント(我が子が夏以降、大浴場にはまっている)。ホテルに入る直前、大通り沿いに貴族の館みたいな妙な外観の建物が見えて気になっていたのだけど、部屋に着いてから調べたところレストランだと判明。和食・洋食・定食なんでもありということで、夕食はここにした。徒歩2分くらいで超近いし。
ステンドグラスに尖塔! 店の名は、プリンス松葉。入ってみたらもっとすごかった。
昭和レトロが炸裂していた。ベルベットのソファー、アールデコっぽい蔓草の装飾、古めかしいランプシェード、天井の電飾! なんていうか、なにもかもが一貫してて突き抜けてることにワクワクしたね。作られたレトロテイストじゃなく、本当に時を重ねてこうなったという濃密な空気感よ。妙に興奮してしまい、写真を撮りまくった。しかしながら注文はテーブル上のタブレットで操作するという現代性。ギャップ萌えか。
200種類以上あるというメニューの中から、ほぼ悩むことなく一番上にあった「松葉定食」を選ぶ。店名を冠してるんだから間違いないでしょ。ハンバーグにエビフライ、酢鶏、ごはん。汁物はなんと、うどんでした。思わぬ炭水化物攻め。選べるドリンクはレモンスカッシュにした。古き良き喫茶店のイメージにぴったりだと思って。これで1300円くらい。
ホテルに戻り、先ほど買った川上屋の栗きんとんをデザートに食べた。しっとりしていて甘さはおさえめ。栗そのもの!というインパクトがある。じんわりとおいしい。
子ども待望の大浴場に入ったあと、明日はもっと栗を食べるぞとの決意を胸に、あまり広くはないダブルベッドに3人ぎゅうぎゅう詰めで就寝。
▼2日目につづく。