加熱して食べる品種の青りんご、ブラムリーを取り寄せた。数年前まで毎年買っていたのだけどしばらく離れており、先日ふとまた食べたくなって販売店のサイトを見たら、「今シーズンの申込受付は本日が最終日」。なんという奇遇、これはもう買うしかあるまい。会員ページには最終ログイン2016年という記録が残っており、8年ぶりの購入だった。
長野県小布施町から届いたブラムリー、2.8㎏で3,580円。明るい黄緑色がきれい。ちなみに初めて買った2010年当時は3kg2,100円だった。値上がり幅が容赦ない。
なにはともあれ、まずはジャムを作る。嘘みたいに火の通りが早くてすぐに実がくずれるのが特徴なので、ざっくり八つ切りでじゅうぶん。鍋におさまらなくても気にしない。砂糖を加えて煮ること15分足らずでとろとろとしたペースト状に。
できたてをトーストに塗りヨーグルトにのせる。ひとくち食べて、はっきりした酸味にハッとする。これこれ、この味!と思い出す。酸味と甘味がどちらも際立っていて、ジェル状の部分がなめらかで、大きめに残った果肉はほどよく柔らか。おいしい…!
翌日は、とろけるチーズとブラムリージャムをはさんでホットサンドにした。カリッと香ばしい食パンに、とろとろのチーズとジャム。塩気と甘みと酸味の三位一体(ダジャレか)。8年ぶりのおいしさが改めて鮮烈で、タルトタタン風にしたい、パウンドケーキに入れたい、肉料理と合わせたいなど意欲がふくらむ。
そして思い返すほどに、ある日なんの前触れもなく「こんなのがあるよ」とブラムリーをくれた、仕事でお世話になっていた面白いもの好きの編集者氏への感謝とか尊敬みたいな気持ちが深まる。そのときもらった2つの実が、私とブラムリーの出会い。今その人とは連絡をとりあうことはしてないけど、受けた影響は私の中に残っていて、十数年後もひそかに大事にしてることを、なんかいいなと思う。