旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。


「すし食いねぇ」で、とろけるのどぐろ。破魔矢スタンドでおばけ封じ。

義実家にて寿司ランチ。数ヶ月に一度「そろそろお寿司が食べたいので集まりましょう」というお誘いがくる。(会ったり遊びに行ったりは一ヶ月に数回ある。)外食ではなくテイクアウト、店はいつも同じで白山市の回転寿司「すし食いねぇ!」が定番。

持ち帰り用セットメニューの「和(なごみ)」10貫、2,644円。本まぐろ赤身・いか・赤えび・かんぱち・白身・本まぐろ中とろ・のどぐろ・いくら・かに足・うなぎ。

のどぐろを食べたのいつぶりだろう、私の日常にはまったくお目見えしない高級魚。久々に食べたらおいしすぎて笑えた。肉厚で意外なほど歯ごたえがあるのに、口の温度だけでやわらかく溶けていくようなこれは一体どういうことか。きらきらした脂がしたたる感じ。そしてなんといっても旨みと甘みの濃さが強烈。これはもてはやされるわけだわ……。中とろよりうなぎより、のどぐろ、あんたが絶対的エースやで!と万感の思いで噛みしめた。

石川県内に回転寿司はたくさんあるけれど食べたことがあるのは数店。家ごとに、「うちはこの店」っていうのが固定してるパターンが多いのではないかしら。あちこち食べ比べた結果そうなってるわけではなく、いつも行くから行っているという。なので、県外の人におすすめ店や店ごとの違いを聞かれても答えられない。というかたぶん、どの店を選んでも一定以上においしいんだと思う。その中で、ひたすら主観的かつ個人的な意見として「すし食いねぇ」はおいしい。プレゼンとしてはまったく説得力がないけれども。セットメニューでも単品でも頼んだものに不満をもったことがなく、サイズは食べやすくかつ満足感があり、電話注文時のやりとりはキビキビしててスムーズ。それだけでじゅうぶん素晴らしい。

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話は変わって子どもの段ボールマイホーム。子は、おばけが来ないよう小さな郵便ポストに破魔矢を挿していたのだけど、ポストの底が浅いため破魔矢が倒れて落下するという課題があった。ので、ドア横に破魔矢専用のスタンドを取り付けた。一緒に厚紙を三角に折り、両面テープで貼りつける。

「これでおばけも来ないね」と子は満足げ。4月だというのにドア上に鏡餅が飾ってあったり、破魔矢が挿さっていたり、窓にもおばけ封じのためのブロックタワーが積まれてたり。まじないの要素が多くて何やらまがまがしい外観になっている……。

子はこの中に入り、「おかーさん! おばけになってこっちに来て! でも破魔矢があるから絶対に家の中に入ってこないでね! 窓にも近づかない! 約束を守るいいおばけになって! わかったー?」とさけんでいる。約束を守るいいおばけ(笑)。たまらんな。