旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。


友人お気に入りのカフェhana へ。アイスチャイ、アップルパイ、きのこ図鑑。

友人と待ち合わせて、彼女のお気に入りだというカフェに連れていってもらう。coffee stand hanaというお店。金沢のど真ん中である兼六園下から、街の中心を背にして10分ほど歩いた場所。たったそれだけの距離なのに観光客の姿はほぼなくて、街なかの混み具合がまるで嘘みたい。通りに面したガラス張りの店内は明るくて、面積が大きいわけじゃないのに広々として見えて、心地よい静けさと落ち着きに満ちていた。

アップルパイと、アイスチャイラテ。市松模様がポップでかわいくてときめく。どちらもたっぷりしたサイズで、友人とまるまる1時間おしゃべりしながら食べるのに多すぎず少なすぎずだった。

かなり長居している様子の学生、赤ちゃんをおんぶひものお母さん、ふらりと入ってきたふうのご年配女性と客層はいろいろで、それぞれの気分とやり方で思い思いにくつろいでいる雰囲気だった。置いてある雑誌の数と種類が相当なもので、アート・建築・文学・暮らしなどなど1日ここに入り浸って好きにめくりながら過ごしたいなと思うラインナップ。

友人がこの店をおすすめしてくれたとき、その語りぶりや表現に、この店が本当に好きで大切なのだということがひしひしと伝わってきた。その好きな場所と時間をおすそ分けしてもらったというか共有できたことが嬉しいし光栄だし、そんな気分もひっくるめて、ああいい春の日だなぁと思ったのだった。

店先には、棚にある中古本と自分が持ってきた本を自由に交換できるコーナーがあった。「きのこ図鑑」に惹かれたものの私には手持ちの本がなく……と思っていたら、友人が自分の新書を棚に置き、はいどうぞ、ときのこ図鑑をプレゼントしてくれた。

ありがとう、もし一緒に山で遭難することになったら、きのこの知識を披露して必ずや恩返しするからね!

この日は仕込みの都合により生ケーキの提供がなくて、行く前から決めていた「生クリームを食べる!」という意気込みは宙に浮いたままとなった。というわけで、そのうち再訪せねば。

coffee stand hana 金沢市小将町5−12 

お題「ささやかな幸せ」