旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。



1月の読書記録。方舟、大地のゲーム、ユートロニカのこちら側など

1月に読んだ本の覚え書き。数字は2023年の読了冊数。この期間では私的に『地図と拳』が優勝!

『落日』湊かなえ (1)

ミステリー要素に引っ張られながら読み進めたけど、二重三重になった構成が複雑というかごちゃごちゃしてて、のめり込めず。視点変化のめまぐるしさに振り回されて疲れてしまった。自殺だと思われていた人物の死因が、実はそうではなく状況的にはポジティブな(っていうのも変だけど)事故死だったという点はある意味救いだったけど、それ以外にもイヤミス要素が多くて読後感はすっきりしない。すごくおもしろいような気がするのに、あまり好きじゃなかったというのが正直な感想。

『姑の、遺品整理は迷惑です』垣谷美雨(2)

タイトルのキャッチーさに興味をひかれた。内容は……小説としてはあんまり……。同じことを同じ表現で何度も繰り返すのしつこい……。モノを捨てられない母と捨てたい嫁のやりとりはおもしろいんだけど、最後は結局ほっこりしたイイ話になっちゃって予測つきすぎ。登場人物がステレオタイプで魅力を感じられず。

『大地のゲーム』綿矢りさ(3)

大好きな綿矢りさ氏の未読作品。舞台は近未来日本、大震災が起こったあとのどこかの大学。再び巨大な揺れがくるといわれている中で校舎に暮らす学生たちの話。設定もストーリーもこれまでの綿矢さんと全然違う異色作。読んでて、みんな何がしたいの?って感じでどうも気持ちが入り込めなかった。浴びせかけるような言葉の流れの気持ちよさは、これぞ綿矢りさ!なんだけどなあ。登場人物がみんなこじらせすぎで、それもまた綿矢さんぽいといえばそうなんだけどあまり好きじゃなかった。綿矢りさのおもしろさは全面的に大信頼してるので、これからも読み続ける。

 

『汝、星のごとく』凪良ゆう(4)

『マジカルグランマ』柚木麻子(5)

パワフルでアクティブでしぶとくて主張が強いばあちゃんが主人公。私には、あちこちに気が散りがちで勝手な人物にしか見えず、あまり共感も応援もできなかった。振り回されて疲れたなーという感じ。

『地図と拳』小川哲(6)

『はなとゆめ』冲方丁(7)

清少納言が主人公。宮仕えの様子や枕草子誕生のエピソードが清少納言の視点から語られる。平安時代も枕草子も好きなので喜んで手に取ったのだけど、あれれ、肩透かし感。長大な参考資料を読んでるみたいで物語世界の広がりを味わえなかった。古典と歴史の知識上で知ってることが並んでるばかりで物足りなかった。

『方舟』夕木春央(8)

ほうぼうで評判のミステリー。確かにすごい。大転換のからくりに心臓がヒュッてなる。戦慄しかない。しかしミステリーって、そもそも作者がトリックを活かすために殺人や密室や動機が必要なんだよなという思いがぬぐえないので、どれだけ面白くても驚いても、だからどうした?という冷めた気持ちを持ってしまう。面白くて驚けたら、読書時間の楽しみとしては十分という考えもあるけど。

方舟

方舟

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『ユートロニカのこちら側』小川哲(9)

直木賞受賞作の『地図と拳』がべらぼうに面白くて最高だったので、小川哲さんキャンペーン中。個人情報を何から何まで管理されているディストピアな世界観にぞわぞわする。住民がそのことを知った上でみずから望んでその世界に入ってきているという点が新鮮か。途中、この人まさかもしかして…?という匂わせな関連性が見えてきてドキドキしたんだけど、最後にはっきり種明かし。そこまで説明しなくてもよかったのに、と個人的に思った。全体的に面白くて好き。小川哲さんはまだまだ読みたい。いま『ゲームの王国』を読んでるところで、本棚には『嘘と正典』が待機中。

『最高のアフタヌーンティーの作り方』古内一絵(10)

ひとつだけ言わせてくれ。作中で「アフタヌーンティーといえば銀の三段トレイ」って言ってるのに、なんで表紙写真はそうじゃないのー? お話的にはいい人ばっかり出てくるのが不満。とりあえずホテルのアフタヌーンティーに行きたくなるのは間違いない。